放送回 | No.0002(0001-B) |
放送日 | 1975年01月07日(昭和50年01月07日) |
出典 | (表記なし) |
クレジット | 演出:まるふしろう 文芸:平見修二 美術:阿部幸次 作画:上口照人・樋口雅一 |
ナレーション | 市原悦子 |
備考 | 狢工房様のサイトによれば演出は藤本四郎 |
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年も暮れようとする頃の話。
雪深い山の中に住む夫婦は、正月を迎えるにも米一粒すら残っていなかった。そこで女房が作った髪飾りのかせ玉を町に売りに行くことにした。
男が地蔵峠を通ると、お地蔵様の頭の上に雪が積もっていたので雪を払ってあげた。大晦日の夕方、町についた男はそこでかせ玉を売るが、一向に売れない。と、そこに笠売りのおじいさんがやってきた。笠売りのおじいさんもまったく笠が売れないので、二人はそれぞれの売り物を交換することにして家路についた。
その途中、男がまた地蔵峠を通ると、お地蔵様は寒そうに佇んでいる。やさしい男はお地蔵様の頭に笠をかぶせてあげた。そして家に帰り、そのことを女房に話すと、それは良いことをしたと言い、女房も喜んだ。
さて、その夜夫婦が寝ていると、外で物音がする。出てみるとそこには米・野菜・果物・着物などがたくさん置いてあった。二人の目には、遠くに峠のお地蔵様が帰って行くのが見えた。こうして二人は無事に正月を迎えることができた。
(稿: 蔵人 本掲載日2012-8-14 14:36 )