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けちんぼ六さん(けちんぼろくさん)

放送回No.0199(0123-A)
放送日1978年02月25日(昭和53年02月25日)
出典東京のむかし話(日本標準刊)より
クレジット演出:藤本四郎 文芸:沖島勲 美術:西村邦子 作画:菊田武勝
ナレーション市原悦子

あらすじ

東京の石神井川(しゃくじいがわ)に、今も下頭橋(げとうばし)という橋が架かっています。昔、この橋は江戸と川越を結ぶただ一つの木の橋として、とても人通りの多い橋でした。

この橋の周囲には大勢の乞食がたむろしていましたが、町の人々も乞食たちも仲良くおだやかに暮らしていました。この中に「六さん」という古株の年寄り乞食がいましたが、朝から晩までせっせと物乞いし、全く無駄遣いをしなかったので「けちんぼ六さん」と呼ばれていました。

ある日、六さんは一人ひっそりと死んでしまいました。乞食仲間や町の人々が、六さんをねんごろに葬ってあげて住んでいた小屋を片づけていると、床下から小銭のたくさん入った壺が出てきました。実は六さんは、若い頃に洪水で家族を流されたつらい過去があるので、この橋を石の橋に架け替えようとしていたのです。

町の人々もこの意志を継ぎ、みんなで寄付をして、この橋を立派な石の橋に架け替えました。そして、道行く人にいつも頭を下げていた六さんにちなんで「下頭橋」と名づけました。

(紅子 2011-10-25 1:03)


地図:下頭橋(げとうばし)

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