放送回 | No.0169(0105-A) |
放送日 | 1977年10月15日(昭和52年10月15日) |
クレジット | 演出:菊田武勝 文芸:沖島勲 美術:宮本清司 作画:菊田武勝 |
ナレーション | 市原悦子 |
千葉のむかし話(日本標準,1973年12月01日)に、同タイトル名のお話があり「このお話かもしれない」ということであらすじを書いてみます。
昔、あるところに仁兵衛という爺さんが住んでいて、毎年十一月末になると裏山に小屋がけして、一年分の炭を焼いていました。
ある年の雪が降りそうな寒い夜、仁兵衛が飯のおかずのメザシを焼いていると、子連れのタヌキがやって来ました。仁兵衛がメザシの頭を投げてやると、親ダヌキは走り寄ってきてそれを子ダヌキたちに分けてやりました。感心した仁兵衛は、残りのメザシを全部投げてあげると、横からもっと大きな古タヌキが走ってきて全部さらって逃げていきました。
その晩、仁兵衛が眠りにつこうとすると、何やら臭いにおいのする一人の男の子が小屋に入ってきました。男の子が「良いにおいがするなあ」と鼻をひくひくさせてメザシをねだるので、「明日になったら持ってきてやるよ」と言って、その晩は帰らせました。
しばらくすると、今度は可愛らしい女の子がやってきました。女の子は「4匹の子供がメザシを喜んだのに、意地悪な古ダヌキに全部横取りされてしまった」と、とても悔しそうに言いました。仁兵衛はますます親ダヌキが可哀そうになって、明日はもっと沢山のメザシを用意してあげる、と約束しました。
さて次の晩、仁兵衛がまたメザシを焼いていると、くさい男の子がやってきたので、こっそり囲炉裏(いろり)にドングリを一掴みくべました。すると、火にはじけたどんぐりが男の子の股に当たり、意地悪な古ダヌキは悲鳴をあげて逃げていきました。仁兵衛は、後からやってきた女の子に全部のメザシをあげました。
その晩、仁兵衛が布団に入りウトウトしていると、小屋が地震みたいに揺れて臭いにおいとともに、古ダヌキがやってきました。そのうち屋根に大穴をあけて、くせえくせえションベンをシューッとひっかけました。何しろ古ダヌキは、体もションベンもそりゃあ並みの臭さじゃなかったそうです。
(紅子 2012-1-27 23:27)