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山んばの嫁さん(やまんばのよめさん)

放送回No.0157(0097-A)
放送日1977年08月20日(昭和52年08月20日)
出典杉原丈夫(未来社刊)より
クレジット演出:小林三男 文芸:沖島勲 美術:仔羊館 作画:石黒篤
ナレーション市原悦子

乳は切れても木は切れない

ある男の家に、急に山姥がやってきて嫁にしてくれと言う。男は断るのが怖くて山姥を嫁にしてしまう。

山姥の嫁さんは意外にも働き者なのだが、その日から男の家の米の減る量が異様に多くなる。 不思議に思った男が、昼間畑に行くふりをして家の中の様子を伺っていると、山姥の嫁さんが大量の米を炊いていた。そして、頭ほどの大きさもある大きなおにぎりを いくつも作っると、それらを全部たいらげてしまった。

その様子を見て怖くなった男は、夜、家に帰ってから山姥の嫁に里に帰ってくれという。 山姥は、意外にもその申し出をあっさり受け入れたのだが、里に帰る前に甑(こしき)を一つ買ってくれという。 男が山姥に甑を買いあたえてやると、山姥は甑の中に男を入れ山に向かって走り出した。

男は、山姥の隙を見て甑から抜け出す事に成功。 そうとは知らず、山姥は里まで帰る。そして里に帰ると子ども達を呼び、みんなで男を食べようとする。しかし、こしきの中は空っぽ。男が逃げたことに気がついた山姥は、怒りながらもと来た道を戻る。男は山姥が戻ってきたのであわてて木の上へ逃げた。

それを見た山姥はおもむろに乳を取り出し、それを木の幹にぶつけ始めた。山姥の乳の力はものすごく、木全体を揺らしながら幹をえぐっていく。男は必死で「乳は切れても、木は切れない。乳は切れても、木は切れない」と何度も念仏のように唱えると、山姥の乳がバアァンとちぎれて吹っ飛んだ。 山姥は「痛いよー」と泣き叫びながら山へと帰っていった。

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


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