放送回 | No.0155(0096-A) |
放送日 | 1977年08月13日(昭和52年08月13日) |
出典 | 清水真弓(角川書店刊)より |
クレジット | 演出:久米工 文芸:境のぶひろ 美術:久米工 作画:久米工 |
ナレーション | 市原悦子 |
ある村に、仲良しの百姓夫婦が住んでいた。この亭主はひどく臆病者で、夜中に一人で小便に行くことすらできなかった。
女房は亭主の臆病を治してあげようと、夕顔の花が化け物の正体だよ、と嘘を付いた。これを信じた亭主の臆病は、すっかり治ってしまった。
この年の夏も過ぎたころ、村はずれの野原のあたりに夜な夜な化け物が出るようになった。亭主は、きっと化け物の正体は夕顔の花だろう、と言って、化け物を捕まえに出かけた。
その化け物が「おぶさりてぇ~、おぶさりてぃ~、ばろ~ん」と言うので、亭主はおぶって家へ連れて帰った。怖がる女房を尻目に、亭主は床の間に化け物を下ろし、そのまま疲れて寝てしまった。
翌朝、目を覚ますと床の間には大きな金の山があった。昔、このあたりは金の採掘をしていた所なので、きっと堀り残された金が、誰かに使ってほしくて化け物になって現れたのだろう。
金は役所に届けたが、全部夫婦の物となり、大変な長者になったそうな。
(紅子 2011-7-16 2:30)