放送回 | No.0150(0093-A) |
放送日 | 1977年07月16日(昭和52年07月16日) |
出典 | (表記なし) |
クレジット | 演出:高橋良輔 文芸:沖島勲 美術:本田幸雄 作画:岩崎治彦 |
ナレーション | 常田富士男 |
むかしある村に、年老いた母親と息子が住んでいました。ある日、隣村から働き者で親孝行な良い嫁を迎えました。
やがて10日も経つと、嫁の様子がおかしくなりました。母親が心配して嫁に理由を尋ねると、嫁は「屁がしたいが我慢している」と言うのです。母親が「屁ぐらい遠慮なくすればいい」とやさしく促すと、嫁は着物の裾をまくってものすごい屁をぶっ放しました。
母親は嫁の屁に吹き飛ばされて、向かいの大根畑へ飛ばされてしまいました。この様子を見ていた亭主(息子)はカンカンに怒り「こんな嫁は実家に返す」と言いだしました。嫁は悲しみながら、実家までの道のりを、亭主の後ろについてとぼとぼ歩いていきました。
しばらく進むと、港から出航できずに困っていた貨物船がありました。そこで、嫁は屁をふり貨物船を沖まで吹き飛ばしてあげました。そのお礼に米俵を三俵もらい、さらに道を歩いて行くと、峠の柿の木から柿を取ろうとしている男がいました。ここでも嫁はすごい屁をふり、柿の木から全部の柿の実を落としてやって、男が持っていた反物と馬をゲットしました。
亭主は「こんな宝嫁を実家に返すとはもったいない」と思い、嫁と一緒に家に帰る事にしました。嫁はとても喜び、ものすごい屁をぶっぱなして亭主を自宅まで吹き飛ばし、後から馬や米俵を持って歩いて自宅へ戻ってきました。
のちに亭主は、嫁の為に屁の家(部屋)を作ってあげ、いつでも好きなだけ屁をふれるようにしてあげました。この家族はいつまでも仲良く幸せに暮らしましたとさ。
(紅子 2012-4-5 1:19)