No.1466
いぶりやま
飯降山
高ヒット
放送回:0948-B  放送日:1994年08月27日(平成06年08月27日)
演出:いがらしみきお  文芸:いがらしみきお  美術:小出英男  作画:柏木郷子
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あらすじ

昔、三人の尼さんが山に入って修行をしていました。

山には住む家もなく、殺生も禁じられているので、食べるものと言えば草や木の実などでした。三人は励まし合いながら、助け合って過ごしていました。

中でも一番年上の尼さんは、笑顔の素晴らしい方で、信仰に生きるとはこんなに素晴らしいのかと感心するほどでした。

ある時、不思議なことに空からおにぎりが3つ降りてきました。きっと、自分たちの日頃の精進のご褒美として、神様がお恵みくださったのだろうと考えて、感謝してありがたく食べました。

それからも毎日毎日、空からおにぎりが降ってきました。しかし、一人1個のおにぎりだけでは物足りなくなり、もっともっとおにぎりを食べたいと考えるようになりました。

ある時、年上の尼さんがもう一人の尼さんと結託し、二人で年下の尼さんを殺しました。これで「おにぎりの分け前が増えるハズ」とワクワクしながら、おにぎりの降る場所へ行ってみると、その日からおにぎりは2個しか降ってこなくなりました。

やがて、もう一人の尼さんが仲間の尼さんを殺したことを悔いるようになりました。一番年上の尼さんは、その尼さんを殺しました。「これでおにぎりを独り占めできるかもしれない」と、おにぎりの降る場所へ行ってみると、それ以来おにぎりが降ってくることはありませんでした。

年上の尼さんは、飢えてよろよろになって山を下りました。こういった話から、この山を「飯降山」というようになりました。

(紅子 2013-9-13 18:19)


ナレーション常田富士男
出典杉原丈夫(未来社刊)より
出典詳細若狭・越前の民話 第二集(日本の民話73),杉原丈夫、石崎直義,未来社,1978年12月15日,原題「飯降山」,採録地「大野市」,再話「杉原丈夫」
場所について福井県福井市の飯降山
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地図:福井県福井市の飯降山
追加情報
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※掲載情報は 2013/9/13 18:19 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
10件表示 (全49件)
ゲスト  投稿日時 2019/5/26 8:04
伊集院の見解によると、おにぎりは尼さんが言ってるだけで、実はカニバリズムではないかという予測。
可児才蔵  投稿日時 2019/5/16 22:31
食べ物を馬鹿にするつもりは無いが、たかがオニギリ如きで人殺すなや。
殺す前に尼を辞めると言う選択肢もあっただろうに。
らんきち  投稿日時 2018/9/25 23:36
昔見た時は、鳥肉を食べた尼さんが肉の味を覚えて下の尼さんを殺して食べたのかと思ってました。
おにぎりを一人占めしたくて殺したのは後で見てわかりました。
十六人谷、吉作落としと並ぶトラウマ作品です。
はなののののはな  投稿日時 2018/8/5 1:33
ある意味、食べ物が最大の試練なのかも知れません。
平和っていうのは、みんなが誰も漏れることなく、一緒に喜んでご飯を食べる事だと聞いたことがあります。
おにぎりという人工物は、どこから誰によって降ってきたのでしょうか…。
ゲスト  投稿日時 2018/4/14 21:33
腹が減ったから仲間を殺害するこの尼さんには、ぼのぼのもびっくりするだろうな。
いろいろ  投稿日時 2018/4/12 18:18
怖い、怖いけど、今の社会を生きる人にも何か教訓として強く印象に残る作品ですね。
自分としては、最後のシーンの木こりに対する年長の言葉や態度からして、次はその
木こりを襲おうとしているのかもしれないと少し感じました。
 まあ、とにかく結論のない、答えのない、奥深い教訓じみた話です。
アーリアジャースル  投稿日時 2017/8/3 19:49
いがらしみきお先生の作品ですけど、それを裏切るかのような一番年上の尼さんの態度だった。
坊屋良子  投稿日時 2017/7/17 14:26
TBSラジオ「伊集院光とらじおと」2017年7月12日のゲストに、いがらしみきおさんが登場。「まん日」好きで知られる伊集院さんですから「飯降山」の話も出てきました。「今だとまずい話」と言っていました。
段子陽平  投稿日時 2017/7/1 16:25
「まんが日本昔ばなし 飯降山」は、今回が最後の作品の最終作品となります。
ゲスト  投稿日時 2017/4/8 6:59
ぼのぼのの作者さんも日本昔話に関わってたんですね〜。
どちらの作品も好きなので、リアタイで見てみたかったです。
ぼのぼののイメージ強いですが、根暗トピアだったかな?元々シュールな漫画も描いておられるので、人間の裏側を抉り出すようなこの話にはうってつけの演出家だったんでしょうね。
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