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石神さま(いしがみさま)

放送回No.1417(0901-A)
放送日1993年08月28日(平成05年08月28日)
出典愛媛県
クレジット演出:前田こうせい 文芸:沖島勲 美術:門屋達郎 作画:前田こうせい
ナレーション市原悦子

あらすじ

愛媛県吉田町の西、犬尾山(いぬおさん)の中腹にある石神さまは、魔よけの神様として親しまれており、それにはこんな謂れがある。

ある時、吉田の町に奇妙な噂が立った。それは、廃寺になった川平(かわびら)の山寺に、夜になるとたいそう美しい娘が現れ、その姿を見た者は病気で死んでしまったりするというのだ。そんな訳で、この山寺に近寄るものは誰もいなかった。

ところが、どこにも物好きというのはいるもので、この噂を聞いた二人の男が、酒と食べ物を持って山寺に向かった。二人は、たき火で鍋を温め、酒を飲みながら夜が来るのを待った。そして夜も更けた頃であった。墓場の方から人魂が飛んで来たかと思うと、噂の通り美しい女が二人の前に現れたのだ。

二人は恐ろしかったが、どうにか平静を装い、女に酒を勧めた。ところが、女は人間の肉が食いたいと言う。これを聞いて二人は震えあがった。そして、一人の男が女をふと見ると、何と女の姿は骸骨に変わっている。これを見た男は、恐ろしさのあまり気を失ってしまう。

もう一人の男は、女から逃げるべく無我夢中に山道を走ったが、男の後ろからは、女と無数の人魂が追って来る。男はとうとう崖から滑り落ち、石神さまの境内に転がり込んだ。しかし人魂と女は、なおも男に迫って来る。男は「命がありますように。」と手を合わせて祈った。するとその時、境内から小さな男の子が現れ、棒切れで人魂を山寺に投げ返し、女に山寺に戻るよう命令した。

この男の子に気押されしたのか、女の幽霊は姿を消した。そして男の子は、山寺を修繕して亡者を供養するよう男に言い残すと、拝殿の中に消えていった。

後に村の衆が川平の山寺を修繕して、墓の手入れをすると、あの美しい女の幽霊も出なくなった。そしてそれからというもの、石神さまの祭りの晩には、肥松(こえまつ)に火を灯し「なんまいだ~なんまいだ~、コケても命があるように。」と言いながら、子供たちが田んぼや山を練り歩くのが習わしとなった。

(投稿者: やっさん 投稿日時 2012-8-3 9:06)


参考URL(1):http://blog.livedoor.jp/awatennbou/archives/78967.html
地図:宇和島市吉田町の犬尾山(別名:犬日山)地図は適当

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