放送回 | No.0141(0087-A) |
放送日 | 1977年06月04日(昭和52年06月04日) |
出典 | 松岡利夫(未来社刊)より |
クレジット | 演出:藤本四郎 文芸:沖島勲 美術:田中静恵 作画:吉村昌輝 |
ナレーション | 常田富士男 |
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ある所に、たいへん仲良しのお爺さんと孫の男の子がいました。二人は早く春が来て畑に蕎麦を植えて、美味しいそばがきを食べたいと思っていました。
その年の春はカンカン照りで、二人は心配しながらも畑を耕して蕎麦の種をまきました。男の子は無事に種まきが済んだので「もうこれでそばがきが食べられるね!」と喜びましたが、お爺さんは「いいや芽が出るまではまだまだわからん」と言って喜びません。
それから、蕎麦からは芽が出て花が咲き実がなり、無事に収穫することができました。やっと念願のそばがきを作ってお椀によそい、さぁ食べようとした時に男の子が「今度こそそばがきが食べられるよね!」と言いました。でも、お爺さんは「いいや、口に入るまではまだまだわからん」と笑い返しました。
お爺さんがそばがきの茶碗を手にした時、近くにいた猫に手を出されてしまい、囲炉裏(いろり)の灰の中にお爺さんのそばがきが落ちてしまいました。物事は最後まで”まだまだわからん”という事ですね。
(紅子 2011-11-30 4:08)