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赤うで(あかうで)

放送回No.1371(0870-B)
放送日1992年12月12日(平成04年12月12日)
出典長崎県
クレジット演出:三輪孝輝 文芸:沖島勲 美術:西村邦子 作画:三輪孝輝
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔、九州は諫早(いさはや)の多良峠(たらとうげ)には、夜になると化け物が出るという噂がありました。福田村から鹿島村へ行くには、多良峠を通らないといけないのですが、化け物を恐れて誰も夜にこの峠を通るものはいませんでした。

福田村には、肝っ玉が大きい事が自慢の七五郎(しちごろう)という男がいました。ある日、七五郎は、庄屋の爺さまから鹿島の名主あてに手紙を届けてくれるように頼まれました。そこで七五郎は、わざと真夜中に家を出る事にしました。

真夜中の多良峠に通りかかると、道の向かいから若い尼さんがやってきました。尼さんはにっこりと笑いかけると、尼さんの持っていた提灯がふわりと宙に舞い上がりました。七五郎がぽかんと見上げていると、尼さんの手がどんどん大きく真っ赤な「赤腕」に変化しました。

七五郎は慌てて走り出しましたが、大きな赤腕にあっという間につかまり、もとの場所まで引き戻されてしまいました。尼さんは「あなたの自慢の肝っ玉を食べてみたい」とニヤリと笑いました。七五郎は、持っていた豆入りおにぎりを「これが肝っ玉だ」と言って尼さんの口に押し込み、小刀で大きな腕を切り落としました。

その隙をつき一目散に逃げ出した七五郎が、息も絶え絶えになって峠の頂上まで逃げてくると、そこには石に座って休んでいるお婆さんがいました。七五郎はお婆さんにすすめられるまま、隣に座って一休みしていると、お婆さんは「赤腕の化け物ってこんな腕か?」と言ってニタリと笑いかけました。

このお婆さんは先回りしていた赤腕が化けたものだったのです。七五郎は、巨大な赤い腕につかまれ、天高く掲げられてしまいました。

目を回して気絶した七五郎は、翌朝通りかかった村人に助けられました。こんなことがあってから、もう七五郎は自分の肝っ玉の大きさを自慢する事は無くなったそうです。

(紅子 2012-9-30 2:10)


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