放送回 | No.1360(0863-A) |
放送日 | 1992年10月17日(平成04年10月17日) |
出典 | 沖縄県 |
クレジット | 演出:小林三男 文芸:沖島勲 美術:青木稔 作画:上口照人 |
ナレーション | 常田富士男 |
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昔、宮古島の伊良部の島に、魚釣りの大好きな漁師がいました。
今夜も月明かりを頼りに夜釣りに出かけた際、「竜宮、竜宮。雨を一粒降らしてくれないか?」と、どこからか声が聞こえてきました。すると、海の中から雨の粒が一粒、天に上がっていったと思うとパラパラっと小雨が降りました。
この様子を見ていた漁師は、天から降る雨は、海の中の竜宮があげている事を知って驚きました。
それからしばらくして、伊良部の島は長い間雨が降らず、干ばつが続いて稲も枯れかけていました。そこで漁師は、海に行って岩陰に隠れて「竜宮、竜宮。雨を三粒降らせてくれ」と、天の神様の声を真似ました。すると海から雨が三粒あがり、やがて天から大雨が降ってきました。
村人たちは、雨を降らせることができる漁師に感謝して、漁師が望むものを何でも与えました。漁師はウハウハで、「俺は天の神様じゃ、いつでも雨を降らせてやるぞ」と鼻高々でした。
しかし、天の神様と竜宮さまがこの事を知ることになりました。再び海にやってきた漁師が天の神様の声を真似て声をかけると、竜宮さまが海から飛び出してきて、天の神様も一緒になって漁師を追いかけはじめました。
漁師は必死に逃げ回り、やがて人間を助けてくれる神様「ウアンガマ様(アンガマ様)」のいる洞窟に逃げ込みました。ウアンガマさまは、天の神様と竜宮さまをうまくとりなして、天の神様をなだめ帰しました。
命拾いした漁師も、天の神様をだました罰としてしばらくの間、石にされてしまいましたとさ。
(紅子 2013-7-12 1:19)
地図:伊良部島(地図は適当) |