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人まねじいさん(ひとまねじいさん)

放送回No.1352(0858-A)
放送日1992年08月29日(平成04年08月29日)
出典新潟県
クレジット演出:こはなわためお 文芸:沖島勲 美術:安藤ひろみ 作画:大島利恵
ナレーション市原悦子

あらすじ

むかし、越後のある村に、爺さんと婆さんの夫婦が二組隣り合って住んでおった。吉兵衛爺さんは心の優しい爺さんで夫婦そろって働き者、隣の勘助爺さんは欲張りで夫婦そろって怠け者じゃった。勘助爺さんは吉兵衛爺さんのやることに文句をつけては意地悪ばかりしておったそうな。

晩秋のある朝のこと、吉兵衛爺さんが鍬を担いで庭を歩き回っておるので、不思議に思った勘助爺さんは訳を尋ねてみた。すると、吉兵衛爺さんに「寒い朝、庭に笠の大きさ程の霜が降りていない場所がある。そこを掘ると良いことがある。」という神様のお告げがあったという。吉兵衛爺さんは毎朝早起きして霜が降りておらんか見ておったのじゃった。

それを聞いた勘助爺さんは、また意地悪を考えた。勘助爺さんはその夜、吉兵衛爺さんの庭にこっそり笠を伏せて置いた。そうしてその夜霜が降りると、次の日の朝勘助爺さんは吉兵衛爺さんより先に起きて、昨日の笠を取り除いておいた。

やがて吉兵衛爺さんが起きてきて、霜が降りていない場所を見つけ、早速その場所を掘り始めた。勘助爺さんは「そこは儂が笠を置いた所じゃ。」と、面白くて仕方がない。ところが、何とその場所から小判がザクザクと出てきたのじゃった。吉兵衛爺さんは大喜びで小判を神棚に祀り、お灯明をあげて三拝九拝したそうな。

羨ましくなった勘助爺さんは、その夜、自分の家の庭に笠を一杯置いておいた。その夜真っ白な霜が降りると、翌朝、勘助爺さんは笠を取り除き、期待一杯でその場所を掘り始めた。じゃが、どこをどんなに深く掘っても、何にも出てきはせんかった。そうして、とうとう自分の掘った穴から出られんようになって、やっとこさ婆さんに引き上げてもらう始末じゃったそうな。

そうして、勘助爺さんはあんまり穴を掘り過ぎたので、腰が痛うて痛うて、春になってもまだ立つこともままならんかったということじゃ。

(投稿者: ニャコディ 投稿日時 2013-10-13 6:48)


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