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宝のおお釜(たからのおおかま)

放送回No.1351(0857-A)
放送日1992年08月22日(平成04年08月22日)
出典鳥取県
クレジット演出:やすみ哲夫 文芸:沖島勲 美術:やすみ哲夫 作画:片岡恵美子
ナレーション常田富士男

あらすじ

昔むかし、百姓の五作の家にとんでもなくでっかい釜がありました。五作が生まれた時からあったこの大釜には言い伝えがあり
「この釜は家の守り本尊。お宝の逃げぬ為の重し。動かせば盗っ人に楽に仕事をさせる。」
というものでしたが、五作ははよく意味がわからないままそれを唱えつつ大釜を家宝として守っていました。

五作はいつも家宝が盗まれいないかと気になって、昼間も家中に心張り棒をして出かける念の入れようでしたがそれでも心配で畑仕事が手につかず、夜ともなれば物音ひとつに盗っ人ではないかと驚いて十分眠る事もできないのでした。

ある晩五作は釜の中にいれば気が付かぬうちに盗まれる事もなかろうと思いつき、中に入って久々にぐっすり眠っていました。ところがそこへ怪力の泥棒が戸を破って現れて、五作が中にいる事も気づかずに大釜を持ち上げて外へでてしまいました。

こんな怪力の盗っ人に見つかったらひねり殺されてしまうと、五作が出るに出られず釜の中で震えおりますと、とうとう腹が減った泥棒が食い物でも入ってないかと道の途中で釜の蓋を開けました。五作はもう開き直って立ち上がり、どうしてそんなところにいるのかという泥棒の問いに、夢中であの言い伝えを唱えて答えました。それを聞いた盗っ人は喜んで五作を置いてどこかへ飛んで行きました。

次の日、五作が重い釜を引きずってやっとこさ家に戻ってみると、釜が置いてあった床が剥がされ軒下の地面に穴が空いていました。「お宝の場所を教えてくれてありがとよ」という盗っ人の置き手紙をみつけ、そこで初めて五作は床下に宝が埋めてあったのだと悟り、俺は何と知恵がないのかと歯ぎしりしました。

しかしふと思い直してみると、お宝がなくなったおかげで五作の心配事はすっかり無くなりました。そうして五作は夜にぐっすり眠れるようになり、大釜は裏庭に転がしたまま昼は畑仕事にせいを出して、のびのび幸せに暮らせるようになったという事です。

(投稿者: ひかる 投稿日時 2012-2-6 21:26 )


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