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出流原弁天池(いずるばらべんてんいけ)

放送回No.1344(0852-B)
放送日1992年07月18日(平成04年07月18日)
出典栃木県
クレジット演出:若林忠生 文芸:沖島勲 美術:吉崎正樹 作画:久保田彰三
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔々、下野の国、佐野の人々は旗川の水を使って田畑を耕していた。

ところがある年のこと、佐野では日照りが続き、春から夏にかけて全く雨が降らなかった。田畑の土は白く固まり、耕すことも種を蒔くことも出来ない。このままでは飢え死にする者も出かねないため、村人たちは村長(むらおさ)の家に集まって相談した。

話し合いの末、村人たちは出流原(いずるはら)の磯山で雨乞いをすることにした。村人は太鼓を打ち鳴らし、火を焚いて雨乞いするが、なかなか雨は降らない。そこで神様によく見えるようにと、やぐらを組んで、その上に願い文(ねがいぶみ)を結んだ竹竿を立てた。こうして三日三晩祈り続けたものの、やはり空には雲一つ現れない。

村人があきらめかけた頃、空の彼方から霧のようなものが現れ、やぐらに近づいてきた。その霧はやがて人影となり、竹竿に結びつけた願い文を取ると、それを近くの林に投げ込み、自身もその林の中に消えた。

不思議に思った村人が人影の消えた林の中に入ると、そこには白い着物を着た老人が立っている。老人は自分を力の限り打てば、お前たちの願いは叶うと言う。これを見た村人は、震え上がってしまい、老人を打つことなどできない。ところが、ここに一人の気丈な若者が出てきて、「すまねえ!!」と言いながら老人を棒で打った。

するとどうだろう。不思議なことに、若者が老人を打つと、老人は地面に埋まってしまった。そしてその地面からは、勢いよく水が噴き出したのだ。「あの老人は、神様じゃったのか?」

この出流原の湧き水は、やがて池となって出流原弁天池と呼ばれるようになった。そしてこの池は、どんな日照りでも涸れることなく、村人たちは池に感謝したそうだ。

(投稿者: やっさん 投稿日時 2012-7-8 8:26)


地図:佐野市の出流原弁天池

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