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山んばの錦(やまんばのにしき)

放送回No.1333(0845-A)
放送日1992年05月30日(平成04年05月30日)
出典新潟県
クレジット演出:こはなわためお 文芸:沖島勲 美術:下道一範 作画:こはなわためお
ナレーション常田富士男

あらすじ

昔、越後の《ちょうふく山》には、恐ろしい山んばが住んでいるという話でした。

ある十五夜の晩のこと。「ちょうふく山の山んばが子を産んだから餅持ってこ~い。持って来ねば人も馬も殺~すぞ~。」という不気味な声が、ちょうふく山の麓の村に一晩中聞こえてきました。

震えあがった村人は急いで餅をつき、村一番の大年寄の杉山の《おおばんば》と、権六と鴨助という若者に餅を届けさせることにしました。三人は早速出発しましたが、権六と鴨助は山道をほんの少し行った辺りでブルブル震えだし、村へ逃げ帰ってしまいました。《おおばんば》は、しかたなく重い餅をそこに置いたまま、一人で山を登っていきました。

《おおばんば》がようやく山んばの家にたどり着くと、山んばは《おおばんば》を家に招き入れました。部屋の隅には、《まる》という昨夜生まれたばかりの山んばの子供が寝ていました。山んばが《まる》に、《おおばんば》が途中で置いて来た餅を取ってくるように言いつけると、《まる》はひょいひょいっと立ちあがって出かけていきました。

やがて《まる》は、餅を軽々と持って帰ってきて、美味しい雑煮をつくってくれました。そうして《おおばんば》は、二十一日の間、山んばの家で《まる》の子守や掃除洗濯をして過ごしました。村へ帰る別れ際、山んばは《おおばんば》に「餅のお礼じゃ」と、綺麗な手箱をくれ、《まる》は《おおばんば》を村まで送ってくれました。

ちょうふく山から帰った《おおばんば》は、村の衆に山んばの様子をすっかり話してやりした。そうして、手箱の中に入っていた美しい錦を切って、村人達に分けてやりました。この錦は金の糸で織られており、切っても切ってもなくならず、人に幸をもたらす不思議な錦でした。それからというもの、この里の村人達は幸せに暮らしたということです。

(投稿者: ニャコディ 投稿日時 2012-5-13 20:29 )


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