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きつね女房(きつねにょうぼう)

放送回No.1305(0824-A)
放送日1991年12月07日(平成03年12月07日)
出典(表記なし)
クレジット演出:芝山努 文芸:沖島勲 美術:千葉秀雄 作画:小岩正美
ナレーション常田富士男

あらすじ

昔、三河の国は一宮(いちのみや)に、成信(なりのぶ)という貧しいが気のやさしい百姓が住んでいた。

ある夏の日、成信の田んぼの脇を旅姿の娘が通りかかった。ところが娘は、長旅の疲れからか、突然バッタリと道端に倒れてしまった。

これを見た成信は、慌てて娘のもとに駆け寄り、娘を自分の家で介抱した。すると娘は、翌朝には元気を取り戻した。

娘が話すには、自分には両親も兄弟もおらず、行くあてもないのだと言う。それで、もしよければこの家の置いてほしいと言う。貧しくて嫁のもらえない成信、この話は願ったり叶ったりだった。やがて二人は夫婦となり、毎日、仲睦まじく働くようになった。

そして、次の年には二人の間に男の子も生まれ、二人は以前にも増して幸せな毎日を送っていた。ところが、その年の田植えが始まる頃、子供が重い病気にかかってしまったのだ。二人は夜を徹してわが子の看病をした。その甲斐があって、子供は病気から回復したものの、田んぼは荒れ放題になり、田植えは手つかずのまま。

成信は、これまでの遅れを取り戻すべく、それから一所懸命に働いた。そしてようやく田植えが出来るところまでこぎ着けた。明日一日で田植えを終わらせねばならない。成信はそう女房に言って、その夜は床についた。

そして翌朝、成信が田んぼに行ってみれば、なんと田植えが既に終わっていたのだ。しかし、どうした訳か苗は全部逆さに植えられている。成信は驚いて、女房にこの事を伝えた。すると女房は、慌てて田んぼの方へと走り出す。その姿は、みるみるうちに白狐に変わり、田んぼの周りを駆け回り、「世の中良かれ。わが子に食わしょ。検見(けんみ)を逃がしょ。つと穂で稔れ。」と唄う。

すると、逆さに植わった苗が正しく植えられ、みるみる伸びていく。

正体を見られた女房は、もとの山に帰らねばならないと成信に告げ、戻って来るように懇願する成信を後に残し、去って行った。

その秋、なぜか成信の田の稲からは穂が出ず、検見の役人は年貢を免除にしてくれた。しかしコメは「つと」の中で立派に稔っており、女房の唄の通り、検見の目を逃れたのだった。

(投稿者: やっさん 投稿日時 2014/4/13 15:01) 


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