情報の掲載されているページはこちらです。(本文に戻る)byまんが日本昔ばなし〜データベース〜[印刷用画面]

猪と月(いのししとつき)

放送回No.1293(0818-A)
放送日1991年10月26日(平成03年10月26日)
出典福岡県
クレジット演出:森川信英 文芸:沖島勲 美術:安藤ひろみ 作画:森川信英
ナレーション市原悦子

あらすじ

山に住む動物達が、夜の暮らしを見守って下さるお月さまに感謝の意を示そうと、色々な芸を行ってお月さまに観て貰おうと言う事になりました。

動物達が銘々、自分の得意な芸の話をしている中、猪だけは「俺にはお月さまに観て頂く芸がない」としょんぼりしています。それを観た動物達は「お月さまに怒られても知らないぞ」「芸なしは仲間にしないよ、早く帰りな」と猪をのけ者にしました。

猪は住処に戻って、弟の猪に事の次第を話し「お月さまに申し訳ない」と泣きました。すると弟の猪は「兄貴、俺達にだってできる事があるさ」と言いました。

さて十五夜の晩、動物達はお月さまに観て頂く為に色々な芸をしました。兎は杵つき踊り、狸は腹つづみ、狐は狐火を操る芸を、猿はそれらの芸をそっくり猿真似して見せました。
でもお月さまは少しも喜んだ素振りを見せませんでした。動物達は「どうすればお月さまは喜んでくれるんだろう」とすっかりしょげてしまいました。

ところで、その反対側の山では、猪兄弟がお月さまに向かってこう言いました。「俺達、何も芸がないけど、せめて力いっぱい相撲を取ってお見せしますので、どうか観て下さい」
そして、猪兄弟は山の頂の台地を土俵に見立て、力いっぱい相撲を取りました。その一生懸命さにお月さまは熱心になって観ておりましたが、やがて「わっはっは、のこったのこった!」と大きな声で笑いました。

これを観た他の動物達は面白くありません。「なんで相撲ごときが面白いのか」「下品なばかりでちっとも楽しくないじゃないか」と文句を言いました。するとお月さまは動物達に向かって「自分の自慢ばかりして他人を貶めてはならん!例え芸がなくとも一生懸命相撲をとって見せる、この姿勢こそが大事なのだ」と言って叱りました。

それからも、十五夜の夜には猪兄弟による奉納相撲が、山の台地で度々行われたと言う事です。

(投稿者: 熊猫堂 投稿日時 2012-11-28 1:35 )


※このページは印刷用の画面です。情報の掲載されているページは、こちらです。(本文に戻る)