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おいてけ堀(おいてけぼり)

放送回No.1263(0798-A)
放送日1991年06月01日(平成03年06月01日)
出典(表記なし)
クレジット演出:前田こうせい 文芸:沖島勲 美術:門屋達郎 作画:前田こうせい
ナレーション市原悦子
備考本所七不思議では「置いてき堀」。出典元不明ですが、初期版のリメイク版である点をふまえ「東京」としています。

あらすじ

昔ある所に一人の魚屋がいたが、その男は博打を覚えてしまいまったく働こうとしなかった。

見兼ねた幼馴染みの金さんが何度も働くよう説得したが男は聞き入れない。そこで金さんは男と賭けをすることにした。この街には夜釣りをすると「おいてけ~…」という声がして、化け物が現れるという噂のある「おいてけ堀」という堀があった。金さんはそこで夜釣りをして、魚を持って帰って来れたらもう何も言わないと約束した。

そしてその夜、男はおいてけ堀で釣りをしていた。すると堀の方から「おいてけ~…」という声が聞こえてきた。男はびっくりして逃げ出そうとすると、そこに一人の美しい若い女が現れた。女は男を見ると「今ここで釣った魚を置いて行ってください」と言って、自分の顔をはずした。そしてそこには何も無いのっぺらほうの顔があった。

肝をつぶした男がいつもよっているソバ屋へ行き今のことをおやじに話すと「それはこんな顔ではなかったか?」とおやじは振り返った。その顔は女と同じのっぺらぼうだった。男はまた肝をつぶして、釣った魚も何も放り出して家へ逃げ帰った。女房がお帰りと言って振り返ると、女房の顔はのっぺらぼうだった。そうして男は気絶してしまった。

その頃金さんはソバ屋で一杯やっていた。あの「おいてけ~…」という声は金さんで、ソバ屋のおやじはおしろいと塗ってのっぺらぼうに化けていたのだ。男の女房も同じだった。金さんは男を立ち直らせるため、ソバ屋のおやじと男の女房と共に一芝居打ったのだ。

ソバ屋のおやじは「金さんは友達思いだねえ」と感心し、「それにしてあんな綺麗な女の人にまで頼むなんて手が込んでるねえ」と言った。すると金さんは「綺麗な女人って誰だい?」おやじに聞き返した。するとおやじはほら、あの若くて綺麗な人がのっぺらぼうに化けてただろう、と言う。

金さんはおやじと男の女房以外には頼んでいないと言った。ふたりは青ざめた。やっぱりおいてけ堀には化け物がいたのだと震えた。

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


参考URL(1):http://ginjo.fc2web.com/45nanafusigi/nanafusigi.htm
地図:錦糸町駅北口付近、錦糸堀

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