情報の掲載されているページはこちらです。(本文に戻る)byまんが日本昔ばなし〜データベース〜[印刷用画面]

小倉のカワズ(おぐらのかわず)

放送回No.1260(0796-B)
放送日1991年05月18日(平成03年05月18日)
出典和歌山県
クレジット演出:若林常夫 文芸:沖島勲 美術:若林常夫 作画:若林常夫
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔、和歌山の小倉村に、たいそう偉いお坊さんと小僧さんが住んでいました。お坊さんと小僧さんは、修行をしたり田んぼを耕したりして過ごしていました。

ちょうど田植えが終わった頃、田んぼのカエルたちの大合唱がはじまりました。和尚さんたちが住む庵(いおり)は、田んぼに囲まれた場所にあるので、それはもう大変な騒音でした。当初は、和尚さんも「鳴くのもカエルの仕事だから」と我慢していましたが、今年は鳴き声の規模が大きすぎました。

ある晩、和尚さんは田んぼにいるカエルたちに「もう少し静かにしてもらえるか?」と、相談しました。するとカエルたちは「自分たちも人間のように二本足で歩けるようにしてくれたら、鳴くのをやめても良い」と、和尚さんに言いました。

和尚さんは少々考えましたが、念力パワーを使ってカエルたちの望む通りにしてあげました。二本足で歩けるようになったカエルたちは、大喜びして「これからは鳴かない」と約束しました。

ところが、二本足で立ち上がったカエルの目は、ちょうど真後ろをみる格好になってしまい、まともに前に歩くことができなくなりました。とても不自由になったカエルたちは「やっぱり元の格好に戻してほしい」と和尚さんにお願いしました。

和尚さんの念力で、無事カエルたちは元に格好に戻りましたが、和尚さんとの約束は残ってしまいました。こうして小倉のカエルは鳴きたい時に、キュッとも鳴く事ができなくなりました。

このことから、和歌山の小倉あたりでは、肝心な時に何も言えない人の事を「あいつは小倉のかわずだ」と言うようになったそうです。

(紅子 2013-7-26 1:34)


※このページは印刷用の画面です。情報の掲載されているページは、こちらです。(本文に戻る)