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百合若大臣(ゆりわかだいじん)

放送回No.0126(0077-B)
放送日1977年03月26日(昭和52年03月26日)
出典(表記なし)
クレジット演出:三輪孝輝 文芸:沖島勲 美術:三輪孝輝 作画:三輪孝輝
ナレーション市原悦子
備考浄瑠璃、歌舞伎などの作品

あらすじ

昔、今の福岡県のある国に百合若大臣と呼ばれる殿様がいた。百合若は鉄の弓を唯一人引ける弓の名人でもあった。ある時、遠征に出かけた際、側近の部下である「別府貞澄」の裏切りに逢い、無人島に一人取り残されてしまった。しかし意志の強い百合若は、いつか故国に帰る事を夢見て、木で作った弓で魚を取って食って暮らしていた。

ある時、百合若がいつもの様に弓で獲物を狙っていると、空から一羽の鷹が飛んでくるのが見えた。それは百合若が可愛がっていた「翠丸」という鷹であった。百合若は翠丸との再会を喜んだ。百合若は着物をちぎってそれを紙にし、指を切り血文字で自分の無事を書きしめ、妻宛に手紙を書き、それを翠丸に託した。それが最後の望みであった。

しかし、ある時、島の波うち際に翠丸の力尽き死んでいる姿を百合若は発見した。百合若は大層悲しんだが、翠丸はしっかりと妻からの伝言を足に結わえていた。それによれば、百合若を裏切った貞澄は大臣となった。しかし百合若の妻を自分の妻とし牢に押し込め、しかも国の為になる事は何一つせず、民たちは絶望しきっていると書いてある。怒った百合若は改めて故国へ戻る意志を強くした。その願いが天に通じたのか、一艘の難破船が漂着した。百合若はそれを治して、遂に無人島を脱出し、故国を目指した。

さて百合若の国では、貞澄が力自慢の部下を集めて、鉄の弓をひかせる競技を行っていた。鉄の弓を見事引けたら褒美をやると言う。部下はこぞって挑戦するが何人束になっても弓は引けない。その時、屋根の上でカラカラ笑う髭も髪も伸び放題の汚い男が現れた。男は「その弓、わしが引いてやろう」と言う。怒った貞澄は引けなければ首を切ると言う。

しかし、この男こそ百合若であった。百合若は自分の鉄の弓をキリリと引き絞り、貞澄に矢を向け「おのれ!貞澄!この私が誰だかわかるか!」と言った。そこでようやく貞澄は気付き驚いた。「お、お前は・・・百合若!」そう言った瞬間、百合若の放った矢は見事に貞澄の心臓を貫いた。

百合若は妻との再会を果たし、再び大臣となり、国は豊かになっていった。

(投稿者: しんちゃん 投稿日時 2011-10-18 12:50 )


地図:小鷹神社(福岡県玄界島)翠丸を奉った神社

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