放送回 | No.1242(0784-B) |
放送日 | 1991年02月16日(平成03年02月16日) |
出典 | 千葉の伝説(日本標準刊)より |
クレジット | 演出:又野龍也 文芸:沖島勲 美術:青木稔 作画:又野龍也 |
ナレーション | 常田富士男 |
備考 | 千葉県匝瑳市ホームページで野田地区の伝説とのこと。 |
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昔、千葉のある村に貧しい家族が住んでいた。
一日中働いてもその日の食い物に困る有様で、その上おっとうが病気でどうすることもできなかった。仕方なく兄弟の中で一番上のお春が、隣村の今泉の大地主の家に子守奉公にでることになった。奉公に出る際、おっかあから7歳のお祝いに買ってもらった鈴入りのぽっくり(下駄)を持って行った。
奉公に来て三年たったある日、大地主の家で五両もの大金が無くなった。その犯人として、奉公人の中で一番貧乏だったお春が疑われた。お春は悲しくなって、おっかあに会いたくなり夜中にそっと抜け出した。やっとの事でたどり着いた家の窓から中を覗くと、おっかあが夜なべ仕事をしていた。それを見たお春は、家に入る事ができなかった。
お春は、重い足取りで村境の橋にたどり着いた。家にも帰れず奉公先の大地主の家にも戻れず、どうしていいのか分からなくなったお春は、とうとう橋の上から身を投げ死んでしまった。今でも、この橋を渡るときに耳を澄ますと「チロリン、チロリン」とぽっくりの鈴の音が聞こえてくるそうだ。
(紅子 2011-7-20 23:51)
地図:千葉の今泉と川辺の間の小さな橋か? |