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水の種徳利(みずのたねどっくり)

放送回No.1201(0758-B)
放送日1990年07月21日(平成02年07月21日)
出典山形の伝説(日本標準刊)より
クレジット演出:白梅進 文芸:沖島勲 美術:渡辺由美 作画:白梅進
ナレーション市原悦子

あらすじ

 昔、山形は虚空蔵山のふもとにある村木沢村、門伝村、柏倉村などの村々は水の便が悪く、少しでも日照りが続こうものなら、村人が総出で川から水を汲んで田んぼに入れねばならなかった。それというのも、東を流れる須川(すかわ)は蔵王高湯の湯が混じるので使い物にならず、西を流れる川は小さい川ばかりだからだ。

そんなある年の夏の事だった。長い日照りが続き、とうとう川の水が干上がってしまった。困った村人はいろいろ考えた末、水を授けて下さると言う箱根の明神様に願掛けすることにした。そこで村々を代表して、願掛けの役を任されたのは、村木沢の与左衛門という男であった。

さて、与左衛門が村を出て須川を越える高木の渡しの所に来ると、子供たちが棒切れで白蛇をいじめていた。心の優しい与左衛門は子供たちに小銭を与え、白蛇を逃がしてやった。

与左衛門はそれから歩きに歩き、やっと箱根の明神様にたどり着いた。実に村を出てから10日余りも経っていた。与左衛門はその日から毎日水乞いの願掛けを行った。そして21日目の満願の日のこと、与左衛門はいつものように社殿の前でひれ伏して、村の水の利が良くなるよう祈願していた。

すると社殿に白い髭を垂らした老人が現れた。老人は遠路はるばる箱根までやって来た与左衛門の労をねぎらい、また道中で白蛇を助けてくれたことに礼を述べた。なんと与左衛門が助けた白蛇は明神様のお使いだったのだ。そして、2つの徳利に入った水の種を与左衛門に授けた。この水の種を撒けば、その場所に沼が出来るのだそうだ。

与左衛門はこの徳利を大事に抱え、大急ぎで村木沢村に帰った。与左衛門は村に帰ると山に登り、沼を作るのに適当な場所を探した。ところが、一休みしようと与左衛門が腰を下ろした拍子に徳利を1本倒してしまい、山の中に大きな沼が出来た。これが畑谷(はたや)の大沼だということだ。

与左衛門は残りに1本の徳利で、山の中に沼をたくさん作った。これらは荒沼、苔沼、曲沼、ドジョウ沼などで、白鷹四十八沼と呼ばれている。そしてこれら与左衛門が作った沼のおかげで、それ以降村は水に困らなくなったと言うことだ。
 

(投稿者: やっさん 投稿日時 2015/1/3 16:20)


地図:山形市村木沢に伝わる話か?

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