情報の掲載されているページはこちらです。(本文に戻る)byまんが日本昔ばなし〜データベース〜[印刷用画面]

餅ばばあ(もちばばあ)

放送回No.1191(0752-A)
放送日1990年06月09日(平成02年06月09日)
出典稲田浩二「美濃の昔話」より
クレジット演出:こはなわためお 文芸:沖島勲 美術:田中静恵 作画:柏木郷子
ナレーション常田富士男

あらすじ

昔ある村のはずれに古い空き家があった。あまりに古くて気味が悪かったが、毎晩村の怖いもの知らずの子供たちが集まってきて、この空き家で夜遅くまで遊んでいた。

ある晩のこと、突然屋根裏からどすんという大きな音が聞こえた。子供たちがおそるおそる屋根裏へ上っていくと、そこには大きな餅が落ちていた。子供たちはその餅を焼いて食った。翌日も、昨夜と同じ時間にもっと大きくてもっとおいしい餅が降ってきた。

またその翌日、今まで聞いたこともないような大きな音がして、屋根裏に上ってみると、いつもと様子が違った。妙な感触で、重いのである。やがてそのかたまりから白髪が生えてきて、一人の婆さんになった。

婆さんは「わしの餅を食ったのならば、銭をよこせ。でないとおまえらを食っちまうぞ」と、婆さんは子供たちに言った。子供たちは「銭などない。餅は天からの贈り物だと思っていた」と言って、全員で空き家から逃げ出した。しかしどうやっても、婆さんから逃げることができず、とうとう婆さんに追いつかれ、子供たちは一斉に婆さんに謝った。

しかし、茂助という子供だけは謝らず逃げ回った。茂助の行く手には大きな川が流れていたので、川岸の大きな木に登ることにした。しかし婆さんもどんどん木に登ってきて、とうとう茂助を木のてっぺんまで追いやってしまった。

茂助は木から川の中へ落ち、おぼれながら「婆さん、おれがわるかった。許してくれ」と謝った。婆さんは「強情な小僧め、やっと謝ったか」と笑った。

他の子供たちが茂助のことを心配して川岸までやってくると、茂助が大きな餅の上に乗っかって、川の中から浮かび上がってきた。そこにはもう婆さんの姿もなかった。その後子供たちは二度と、村はずれの空き家に近づくことはなかった。あの婆さんはどこへ行ったのか。きっと今日もどこかで餅を食っているに違いない。

(投稿者: カケス 投稿日時 2012-11-14 22:36)


※このページは印刷用の画面です。情報の掲載されているページは、こちらです。(本文に戻る)