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峠のかしの木(とうげのかしのき)

放送回No.1178(0743-B)
放送日1990年03月31日(平成02年03月31日)
出典稲田和子(講談社刊)より
クレジット演出:大竹伸一 文芸:沖島勲 美術:田中静恵 作画:大竹伸一
ナレーション常田富士男

あらすじ

昔ある山奥の村に、とても自分勝手でわがままで、生意気な若者がいました。

夏のある日、若者は「野良仕事なんてコツコツやってられるか」と、村を出て行きました。町へやってきた若者は「偉そうに振る舞えて割りの良い仕事」をしようと、呉服屋や大工などの仕事につきました。

しかし、仕事をはじめて数日しか経たないうちに、若者は「俺を店主にしろ」とか「大工の棟梁を替われ」とか、生意気ばかりいうものだから、どこへ行ってもすぐに追い出されてしまいました。

やがて秋になった頃、若者は峠の大きな樫木(かしのき)の下へやってきました。若者は「世の中、間違っている」と、町での事を愚痴りました。若者は、樫木を怒鳴りつけながら「こんな大きな木のくせに小さい実なんかつけてる。お天道様のする事も間違っている」と、木の幹を蹴りました。

すると、樫の実が若者の頭の上に落ちてきました。その様子を黙って見ていた百姓の爺さんが「もしも樫の実が大きかったらお前は死んでいたはずだ、お天道様のする事に間違いはない」と、若者を諭しました。

百姓の爺さんは「町ですぐに呉服屋の店主になろうとしたり、大工の棟梁になろうとしてもそれは身勝手な考えというもんだ」と、若者に言い聞かせました。

それからの若者は、もう生意気な事も言わなくなり、自分の村で真面目に野良仕事をするようになりましたとさ。

(紅子 2013-9-24 0:14)


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