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万年寺のつり鐘(まんねんじのつりがね)

放送回No.1164(0734-A)
放送日1990年01月27日(平成02年01月27日)
出典神奈川の伝説(日本標準刊)より
クレジット演出:こはなわためお 文芸:沖島勲 美術:福井のり子 作画:塚田洋子
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔、神奈川は横浜の恩田という所に万年寺(まんねんじ)という寺があり、その寺に大変碁の好きな和尚がいた。この和尚、人を捕まえては明けても暮れても一日中碁を打つという毎日で、寺の務めを果たすどころか、万年寺に何百年も伝わる貴重な鐘を撞くのも小僧の珍念に任せるという始末だった。

ある日、この村の庄屋の屋敷に近在の碁の好きな者が大勢集まって碁会が開かれた。万年時の和尚も本因坊とおだてられ庄屋と碁を打つ事になったが、負けた庄屋から小判を貰いこれが賭け碁だと知ると、和尚は調子に乗って打ち続け財布に一杯の金を稼ぎ、その上ご馳走にも呼ばれ上機嫌で帰っていった。

しかしこの時を境に和尚は寺の務めを放って、あちこちに出かけては賭け碁に夢中になってしまう。不思議な事に、それから和尚は全く勝てなくなってしまったが、それでも和尚は一向に賭け碁を止めようとはしなかった。さらに和尚は負けた金を払うため寺の子仏や木魚、その他の仏具も皆売り払ってしまい、寺の手入れをする金も無いので寺は荒れ放題となった。この様子に珍念が愛想を尽かし寺を出ていっても、和尚の賭け碁は治まる事が無く、仕舞いには本尊さえも賭け金の方に売り払ってしまう。そのうち金目の物を全て無くしてしまった和尚に誰も相手をする者はいなくなったが、和尚は血走った眼で一人碁盤に向かい、碁の本を相手に一日中座り詰めの毎日だった。

そして寺も荒れ果て村の法事にも出かけなくなったある日、「カネを恵んで欲しい」と何度も和尚に呼びかける謎の声があった。こんな荒れ寺に金なんかあるわけがないと腹を立てた和尚は自棄になり、「金が欲しいなら家探しでもして持っていけばいいだろう」とつい怒鳴ってしまう。するとあれほどうるさかった声は急に静かになり、しばらくの間は何も起こらなかったが、夕方になって刻を告げる鐘の音が鳴り始めた。珍念はいるはずがないし一体誰が撞いているのかと、不安になった和尚が外へ出て釣鐘堂を見てみると、なんとあの貴重な万年寺の鐘が消え失せていた。カネはカネでも釣鐘を持っていかれたのだ。

釣鐘はどこを探しても見つかるはずもなく、村人たちは「本尊様の罰が下ったのだ。あの声は仏様の声だったに違いない。」と言い合った。その後和尚はどこへ消えたか行方知れずになり、人々は長い間この土地を万年寺と呼んでいたが、いつしかその呼び名も消えていってしまったそうだ。

(投稿者: お伽切草 投稿日時 2012-1-6 23:43 )


参考URL(1):https://www.ondamemo.net/archives/000126.html
参考URL(1):https://ameblo.jp/kodosansaku/entry-12373490401.html
地図:横浜市瀬谷区上瀬谷町8-3 妙光寺

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