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火の神の火玉(ひのかみのひーだま)

放送回No.1160(0731-B)
放送日1990年01月06日(平成02年01月06日)
出典瀬川拓男(角川書店刊)より
クレジット演出:辻伸一 文芸:沖島勲 美術:安藤ひろみ 作画:辻伸一
ナレーション市原悦子

良妻の日頃の行いが火の魔の手から救う

昔、奄美の与論島のある家に一人のよく出来た嫁がいた。この嫁は火の始末に熱心で、毎朝火を使った後、燃え残りの炭は火消し壷へ入れ、竈(かまど)の前に水を入れた洗い桶を置いてから畑へ出かけていた。 

ある日嫁が畑から帰ると何か家の空気がおかしい。家の中を見回すと全身赤ずくめの小さい老婆が竈の上の棚に居る。老婆は自分を火の神様の火玉(ひーだま)と言い天に帰りたいが、嫁がいるため天に帰れないという。嫁がどうすれば天に帰れるのかと問うと、火玉は自分の言うとおりにしろと言う。その時火玉の目が怪しく輝き、それを見た嫁は火玉の言いなりとなってしまう。

火玉は嫁に「ホーハイと唱えながら家の屋根の四隅から萱を抜き取り、それを竈の前で燃やせ」と言いつける。嫁が言いつけどおりにそれを行うと、竈の火はたちまち大きくなり家を燃やしそうになるが、火玉はそれを見て喜び出す。

その時、萱から火花が飛び、その火花が顔に当たった嫁は我を取り戻し、いつも竈の前に置いていた洗い桶の水を掴むと火玉にぶっかける。 水を浴びた火玉は溶けて消え去り、家は火事にならずに済んだ。

今でも与論島では火事の時、男が「ホーハイ」と叫ぶと火事が収まるが、女がそう叫ぶと火事が大きくなると言い伝えられている。また女が生涯に三度火事を起こすと、その女は火玉になると信じられている。

(投稿者: はんぺん 投稿日時 2012-2-4 23:29 )


参考URL(1):http://earthtscu.jugem.jp/?eid=274
地図:火の神を祀っている場所(チヂ岬)

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