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No.1152
とかちだけのやまおとこ
十勝岳の山男
高ヒット
放送回:0727-B  放送日:1989年12月02日(平成01年12月02日)
演出:芝山努  文芸:沖島勲  美術:亀谷三良  作画:須田裕美子
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あらすじ

北海道の大雪山系の山々には、獣や人間を襲って食べる山男が住むと言う噂があった。

ある年、大雪山の麓・十勝川の畔に住む一人の年老いた猟師が、十勝岳へ猟に出かけた。なかなか獲物を得る事が出来ずに山の中を彷徨い歩く内、川縁にカワウソの足跡を見つけた猟師は喜び勇んでその足跡を追った。

ところが、いつの間にか猟師は深い森の中に迷い込んでおり、しかもカワウソの足跡を後ろ向きになりながら追っていたのだった。化かされたと思った猟師が怒って悪態をつくと、それとほぼ同時に猟師の目の前に巨大な山男が姿を現した。

驚いた猟師は逃げ出したが、山男は何処までも追って来た。遂に崖の縁にまで追い詰められた猟師は「喰わないでくれ、俺の持っている物と言えばこれ位だ」と言いながら煙管にたばこを詰めて火をつけ、山男に手渡した。山男は煙管を受け取ると旨そうにたばこを噴かしていたが、やがて満足したのかそのまま姿を消してしまった。

命拾いしたと猟師が逃げ出し、森の中で出会った猟師仲間に今までの話をして聞かせて居ると、さっきの山男が再び姿を現わした。そして驚く猟師の目の前に大きな鉞(まさかり)を放り、また森の中に消えてしまった。

「たばこの礼にくれたのだな」と思った猟師はその鉞を持ち帰った。それからと言うもの猟師は運が良くなって、やる事為す事巧く行くようになった。猟師の話を聞いた人々は、それ以来十勝岳に登る時は必ずたばこを持って行くようになったのだと。

(投稿者: 熊猫堂  投稿日時 2012-12-9 23:17 )


ナレーション市原悦子
出典北海道の伝説(日本標準刊)より
場所について十勝連峰の東側(地図は適当)
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地図:十勝連峰の東側(地図は適当)
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※掲載情報は 2012/12/10 1:22 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
3件表示 (全3件)
ゲスト  投稿日時 2016/3/29 12:21
アイヌでは初めて会う人と煙草の回し呑みをするとか
この十勝岳の話と関係があるかは不明
熊猫堂  投稿日時 2012/12/9 23:03
ワタクシの所持している資料にこの「十勝岳の山男」と全く同じ筋のお話が収録されているのですが、そのお話はアイヌの人々の伝承として記載されているのです。文中でも山男の事を「キムンアイヌ」(山の人)と表記しており、アニメのような雪男風の姿ではなく、どちらかと言うと巨人か鬼のような姿をしているように描かれておりました。
似たようなお話は大雪山系の山々の各地に少しずつ内容を変えて伝承されているとの事で、「十勝岳の山男」がひょっとしたらこれらアイヌの人々の伝承をアレンジした作品なのか、或いはアイヌの人々の伝承が和人に伝わって姿を変えた伝承があってそれをアニメ化したのか、中々判断が難しい所処で有ります。
araya  投稿日時 2011/11/17 0:22
十勝岳と十勝川、そして凍らないところで温泉を探してみましたが見当たらず、斧を奉った神社でもあれば別でしょうが、これも定かではなくですね。
とりあえず、十勝連峰の東側ってことが分かれば良いかってところで、十勝川上流のオバナイ沢(アイヌ語で小さな深い沢)の辺りでポインティングしてみました。以下の座標でいかがでしょう。マッピング時には十勝岳と十勝川が分かる縮尺がイイかもです。

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