トップページ >  お話データベース >  東北地方 >  山形県 >  天から食い物
No.1150
てんからくいもの
天から食い物

放送回:0726-A  放送日:1989年11月25日(平成01年11月25日)
演出:又野龍也  文芸:沖島勲  美術:門屋達郎  作画:又野龍也
山形県 ) 17927hit
あらすじ

昔、神様が天と地と生き物を作ったばかりの頃、もちろん人間も生まれたばかりの頃、人間は特に何をすることもなく日々をすごしていた。

ある時、神様はふと人間は一体何を食ってるのかと思った。神様は人間を他の生き物より少しは利口に作ったので、気になったのだ。早速、家来が地上に降りて調べてみると、その頃人間は腹が減ると雨の水を大口を開けて飲み、腹を満たしていたのだ。

それを聞いた神様はそれはちと可哀想だと思い、天から食い物を降らせてやった。それを人間達が食べてみると、とても美味しいもので喜んだ。それは御飯を炊いたものだった。それから神様は一日一回、白い御飯を降らせてやった。

それをしばらく続けて神様は、その後人間はどうしているのかと思い、また家来に調べてくるよう言い付けた。家来が調べると、何と人間達は余った御飯をまりのように蹴って遊んでいた。それを聞いた神様は怒り、二度と御飯を降らせなかった。

人間達は白い御飯を口にできなくなり、また御飯の味を覚えてしまったため雨水など飲む気になれなかった。それで毎日空腹ですごしていた。そんな日が続き、人間たちが天に向かって「白いもん降ってこーい!」と大声で叫び始めた。その声は天の上の神様の耳にも届いた。

その声があまりにうるさいので、神様は御飯もろくにのどを通らなくなってしまった。そしてそんなに白いもんが欲しけりゃ降らせてやると、神様は白いものを降らせた。喜んだ人間がそれを口にすると、それは雪だった。

こうして食べ物をおもちゃにした人間は、寒い「冬」というものを迎えなくてはならなくなった。

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


ナレーション市原悦子
出典武田正「山形の民話」より
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このページを印刷
追加情報
このお話の評価6.0000 6.00 (投票数 4) ⇒投票する
※掲載情報は 2011/2/11 22:30 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
お話の移動 ( 48  件):   <前  1 ..  30  31  32  33  34  35  36  .. 48  次>  
コメント一覧
2件表示 (全2件)
セイジ  投稿日時 2018/12/21 17:44
中国の民話にそれと少し似ている作品を見つけました。

むかしむかし、冬がきて寒くなると、雪のかわりにお砂糖や小麦粉の降ってくる村がありました。
 その村では初めの日に小麦粉が降ってくると、その次の日は、お砂糖がたくさん降ってくるのです。
 お砂糖と小麦粉がかわりばんこに空から降ってくる、そんな日が十日も十五日も続くのです。
「やあ、今年も降ってきたぞ、白い粉が」
 小麦粉の白い粉が降り出すと、村の人たちはおけや水がめや、そのほかいろんな入れ物を持ち出してせっせと粉を集めます。
 そしてそれを袋に入れて、大きな蔵にいっぱい粉の入った袋をつめこみます。
「やあ、今日は甘い砂糖だぞ」
 お砂糖も小麦粉と同じで、砂や土がまじらないように、きれいに集めておきます。
 こうして一年分のお砂糖と小麦粉をたくわえてしまうと、村の人たちは遊んで暮らせばいいのです。
「やあ、けっこう、けっこう。今年も働かなくていいわけだ」
「ほんとうに、ありがたいねえ。毎日寝ころがっていればいいんだから」
 この村の人たちは、ほかの村のように、畑をたがやして麦やマメをつくろうとしません。
 お腹が空いたら、おだんごや砂糖がしをつくって食ベればいいわけですから。
ところが、前の年の小麦粉やお砂糖が蔵にたくさん残っているうえに、今年の分が集まるものですから、入れる所がなくてはみ出してしまいます。
 そうなると村の人たちの心の中にありがたいという気持ちはすっかりなくなって、小麦粉やお砂糖をそまつにするようになりました。
 子どもたちまで小麦粉をおだんごにして石のように投げてみたり、池にお砂糖を流して遊んだりしました。
 やがて、今年も冬がやってきました。
 けれども村の人たちは、空からの贈り物を待ってはいません。
 もうあり余るほど、前の年の分が残っていたからです。
 そのうちに、また白い粉が降ってきました。
 みるみるうちに、あたり一面まっ白につもりました。
 その時、外で遊んでいた子どもたちがさけびました。
「あれー! 砂糖じゃないぞー!」
「小麦粉でもないぞー!」
「冷たい、冷たい、冷たい!」
「口の中へ入れたら、とけてなくなるよー!」
 それを聞いて、大人たちも外へ飛び出してきました。
「本当だ。冷たくて、口に入れるととけてしまうぞ!」
 空から降ってきた白い粉、それはふつうの雪だったのです。
 そしてその次の年も、また次の年も、お砂糖や小麦粉は降ってきませんでした。
 やがてたくわえてあったお砂糖や小麦粉もついになくなり、すっかりなまけ者になってしまった人たちは、大変困ったという事です。

これは『福娘童話集』というサイトから引用したものであり、実際の出典は不明です。
雰囲気的に似ているお話だと思いますが、どうでしょうか。
セイジ  投稿日時 2018/8/6 20:06
福娘童話集というサイトに、それに似た中国の民話を見つけました。
http://hukumusume.com/douwa/pc/world/12/27.htm
投稿ツリー

スレッド

2件表示 (全2件)
現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

25 人のユーザが現在オンラインです。 (17 人のユーザが お話データベース を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)