No.1149
かもこのぬし
加茂湖の主
高ヒット
放送回:0725-B  放送日:1989年11月18日(平成01年11月18日)
演出:小林治  文芸:沖島勲  美術:千葉秀雄  作画:亜細亜堂
写真あり / 新潟県 ) 58102hit
加茂湖の主に目をつけられて怪死した強欲長者の話

昔、佐渡の加茂村に武右衛門(ぶえもん)という長者が住んでおりました。この武右衛門は大変強欲で情け容赦のない冷たい男でした。武右衛門は、一刻も早く加茂湖を埋め立てて土地を増やし、佐渡一番の長者になりたいと野心を抱いておりました。

しばらくして始まった加茂湖の埋め立て工事に、漁師達は止めてくれるよう必死に懇願しました。ついに堪忍袋の緒がきれた漁師の茂平は、武右衛門を奉行所に訴えでましたが、お奉行に根回ししていた武右衛門の手によって、逆に土地を永久に追い出されてしまいました。

そのお裁きのあった満月の晩のことです。秋津村(あきつむら)を通りがかった武右衛門とお伴の長兵衛は、長江川のそばで一人の娘が立っているのに気づきました。声をかけると釜屋村(かまやむら)の家に帰るところだと言います。娘の美しさに下心を出した武右衛門は、送ってやると申し出て、長兵衛の提灯をふんだくり、娘の肩を抱き寄せながら行ってしまいました。

仕方なく長兵衛が一人で帰っていると、背後から青白い顔をしたお奉行が声をかけてきました。「あの娘は、生(しょう)のある者ではない」と長兵衛に告げて死んでしまいました。長兵衛は驚いて、武右衛門の後を追いかけましたが、そこで見たのは娘が武右衛門の生き血を吸っているところでした。驚く長兵衛の目の前で、二人はいつのまにか姿を消してしまいました。

長兵衛があわてて二人を探すと、不思議な事に二人は加茂湖で水面に立って踊っていました。その異様で恐ろしい様子に、長兵衛は叫び声をあげて村に逃げ帰りました。知らせを聞いた村人や漁師たちが湖をあちこち探すと、明け方ごろ武右衛門の遺体が加茂湖の底から浮き上がってきたのでした。

村人達は加茂湖の主の恐ろしい仕返しに震え上がったということです。

(投稿者: もみじ 投稿日時 2012-7-9 14:11 )


ナレーション常田富士男
出典浜口一夫(未来社刊)より
出典詳細佐渡の民話 第一集(日本の民話18),浜口一夫,未来社,1959年04月30日,原題「加茂湖の主」,怪談藻塩草より
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場所について佐渡の加茂湖
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地図:佐渡の加茂湖
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※掲載情報は 2012/7/9 22:15 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
9件表示 (全19件)
坊屋良子  投稿日時 2013/5/11 13:11
シャモジ顔など、小林治さん演出の回に特有のキャラが登場。
(スタッフの特徴がわかるとだんだん楽しみになってきます)
奉行が「遠山の金さん」(桜吹雪の刺青はないですが)。
水上の踊りがまるでパラパラのようです。
マルコ  投稿日時 2013/4/6 16:02
欲に駆られた人間が湖の恐ろしい仕返しを受ける話でしたよね・・・。おお怖い!!
マルコも湖の主の仕業だと思います・・・。

そういえば、このお話で描かれている加茂湖と実際の加茂湖の形が本当にソックリだった覚えがあります・・・。
たまきち  投稿日時 2013/4/6 7:42
でも私はやっぱり加茂湖の主のうらみだったのではと思うのですが、みなさんはどう思いますか(ーー;)
DAREぱんだ  投稿日時 2013/2/6 17:52
初めて観ましたが、キャラの髪型(特に武兵衛)が横に張り出した感じなのと、下唇おじさんの片肌脱ぎ(遠山の金さんかいっ!)が笑えます。
beniko  投稿日時 2012/7/9 22:31 | 最終変更
もみじさんへ。以下、アニメの出典元となった本で確認しました。

相川の奉行所からの帰り道、秋津村の坂道を下り、長江川の近くに来た時に、釜屋村へ向かう若い姉と出会った。この娘は「まるで、生(しょう)のあるもの」とは思えない感じだった。と書いてありました。

※日本の民話 18 佐渡の民話 第一集(浜口一夫,未来社,1959年04月30日)
※このお話は、後のほるぷ版の日本の民話シリーズだと、第11巻に収録されています。
もみじ  投稿日時 2012/7/9 14:22
このお話、この娘の正体が「加茂湖の主」かどうかもわからないのに、
加茂湖の主とされているのは何なんだろう(・ω・)?

埋め立て始められた時に警告するでもなく
裁きのあった晩に、不正をした奉行も一緒に殺すとなると
漁師たちによる復讐を主の仕業としたのではないか?
と思ったりもします。(・ω・;)
マルコビッチ  投稿日時 2011/10/18 20:52
顔色悪いのに踊るからだよ・・・。
マニアック  投稿日時 2011/10/18 20:51
下唇おじさん、悪奉行役で死んじゃった!
黒田  投稿日時 2011/7/25 19:00
出典:『日本の民話11 越後・佐渡篇』(水沢謙一/浜口一夫・編 未来社 昭和56年1月・刊)所収「加茂湖の主」

 内容は、ほぼ出典通り。ただし、奉行の出番(加茂湖の主に殺される場面も含)は無く、茂平が武右衛門と親しく描かれている【出典】。
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