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No.1128
さんどうさんのきつね
三道山のキツネ

放送回:0712-A  放送日:1989年08月19日(平成01年08月19日)
演出:フクハラ・ヒロカズ  文芸:沖島勲  美術:吉田陽子  作画:フクハラ・ヒロカズ
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あらすじ

昔、加賀の国の三堂山いう山があった。この山の中で、道が三つに別れているもんでいつの間にか三道山と言うようになった。この山には年寄りのキツネ夫婦が住んでいて、山道を通る人をだましては食べ物を盗んでおった。

ある日、馬方の久兵衛(きゅうべえ)が、魚を積んで歩いていると、婆さんに化けた老ギツネが声をかけました。「馬方さん、その馬に乗せて寺井まで連れて行ってください。」

久兵衛は、キツネが化けているとわかっていたので、おばあさんを馬に乗せ「落ちるとあぶねーから」とナワでしばりあげました。そして、久兵衛の家まで来ると、おばあさんをハシゴにしばりつけ、杉の葉っぱに火をつけ煙りでいぶし始めました。

この様子を見ていた老ギツネの亭主は、急いで即得寺へ向かい、和尚の袈裟(けさ)を持ち出しました。キツネの亭主は、袈裟を身に着けた和尚さんに化け、久兵衛さんを諭し、どうにか婆さんギツネを助け出しました。

その後、キツネ夫婦は袈裟をお寺に返し、和尚さんに丁寧にお礼を言いました。やさしい和尚さんは、このキツネ夫婦たちをお寺の縁(えん)の下に住まわせてあげることにしました。

その晩、久兵衛の家から火が出ました。キツネ夫婦は急いで久兵衛さんの家に駆けつけて、必死になって火事を消し止めてあげました。久兵衛さんも村人たちも、消火してくれたキツネたちに感謝し、いつまでも仲良く暮らしたそうです。

(ちまこう 投稿日時 2013-6-2 21:08)


ナレーション市原悦子
出典石川の伝説(日本標準刊)より
場所について即得寺
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地図:即得寺
追加情報
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※掲載情報は 2013/6/2 21:48 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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猫  投稿日時 2021/3/4 20:42
きつねといってもそれぞれですね。
普段は人間たちに嫌われがちなきつねですが、この老狐夫婦のように、周りの人間たちの理解や思いやりさえがあれば、悪さどころか人間のために力を尽くすこともあるんですね。
とても考えさせられるよいお話でした。
beniko  投稿日時 2013/6/2 21:58 | 最終変更
ちまこうさん、あらすじ投稿ありがとうございました、さっそく転記しました。ご確認ください。

●いただいたあらすじを拝見しましたが、原作に基づいた内容のようでした。私自身もこのアニメの出典元である「日本標準の本」を読んだのですが、短刀の事などは出典元にしか明確に記載されておりません。 大変恐縮でしたが、あらすじ文章は少々、修正させていただき転記しました。申し訳ありません。

※あくまでこのサイトは、アニメが軸になっていて、あらすじ自体も「アニメを元に」したものを掲載したいと思っております。
※出典元を知っている人、まさにこの地域にお住まいの方々などには、少々違和感があるかもしれませんが、恐れ入りますこのサイトの趣旨をご理解くださいますと嬉しいです。

今後とも宜しくお願いします。
ちまこう  投稿日時 2013/6/2 21:08 | 最終変更
今でも即得寺にはキツネ塚があり、白さやの短刀は(火よけの刀)とも言われ寺の宝として祀られているそうです。 追伸・この「三道山のキツネ」は寺井の民話です。三道山の民話では「物言う地蔵様」があります。
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