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禅師河童(ぜんじがっぱ)

放送回No.1123(0708-B)
放送日1989年07月22日(平成01年07月22日)
出典松岡利夫(未来社刊)より
クレジット演出:又野龍也 文芸:沖島勲 美術:青木稔 作画:又野龍也
ナレーション常田富士男

あらすじ

昔、日照りが続いて、秋芳洞(しゅうほうどう)のあたりが大干ばつに見舞われたことがありました。まったく雨が降らないので、田んぼも畑も川までも干上がってしまい、土地の人は困り果て、どうすることも出来ないのでした。

でも、困っていたのは人間だけではありません。秋芳洞の龍ヶ淵に住んでいた河童も、水が減って魚が取れないで苦しい思いをしていました。そして、空腹に耐えかねて自住寺(じじゅうじ)の放生池(ほうじょういけ)の鯉を一匹盗んで食べてしまいました。

一方、自住寺の寿円禅師(じえんぜんじ)が秋芳洞に籠もって雨乞の祈りを始めたのを知った河童は、鯉を盗んだ自分を呪い殺すつもりだと勘違いし、禅師の邪魔をしました。しかし一向に気に留めることなく祈りを続ける禅師の姿に心を打たれた河童は、仏弟子となり祈りの手伝いを始めました。

満願の日の朝、禅師の祈りが天に通じて大雨が降りました。祈りを終えた禅師は龍ヶ淵の一枚岩の上に立っていました。気がついた河童が止めようとしましたが、禅師は仏様に自分の命をささげようと、龍ヶ淵から身を投げてしまいました。

禅師をを助けようと河童も淵へ飛び込みましたが、大雨でゴウゴウと渦を巻く川の激流の中で思うように泳げません。岩にぶつかって頭の皿が割れるほど泳いだけれど、とうとう禅師を助けることが出来ずに河童は息絶えてしまいました。

このことを知った土地の人々は流れ着いた禅師と河童の死体を手厚く葬り、そしてこの河童のことをいつしか禅師河童と呼ぶようになったと言います。

(投稿者: マルコ 投稿日時 2012-5-12 19:52 )


地図:自住寺(じじゅうじ)

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