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力じまん与左衛門(ちからじまんよざえもん)

放送回No.1110(0700-A)
放送日1989年05月27日(平成01年05月27日)
出典富山のむかし話(日本標準刊)より
クレジット演出:三輪孝輝 文芸:沖島勲 美術:三輪孝輝 作画:三輪孝輝
ナレーション市原悦子

あらすじ

むかしむかし、山深いある在所に何人もの木挽きがおった。木挽きは、大きな木を切り倒し鋸で切って家を建てる材木にする仕事で、大変力がいった。

その中に、「たかごし」の与左衛門というめっぽう力の強い男がおった。この与左衛門、力比べでは百貫もの大石を持ち上げて一町も走ったり、炭俵を三十俵も担いで二町も歩いたり、さらには、草相撲で都の関取のまわしを掴んで、あっという間に放り投げてしもうたという大変な力もちじゃった。

じゃから、与左衛門は「おらみたいな強い者、どこにもおらん。天狗にだって負けんわい。」と言って、威張り腐って歩いておったそうじゃ。

そんなある日の夕暮れのこと、与左衛門は仕事道具を担いで久しぶりに家に帰ろうと歩いておった。与左衛門が村の宮様の大杉の前を通りかかった時、突然、大杉の影から大天狗が姿を現し、与左衛門の行く手を遮った。そうして、与左衛門はその天狗と相撲を取ることになった。

ところが、与左衛門が地面に足がめり込むほど力一杯押しても、天狗は一歩も下がるどころか、まるで地面に生えている大木のように動かんかった。とうとう、与左衛門は力を出しつくしてしもうて、気を失ってしもうたそうじゃ。

しばらくして与左衛門が気が付くと、もう天狗はどこにもおらんかった。与左衛門はやっとの思いで家に辿りついたが、その手には杉の木の皮がしっかりと握りしめられておった。

その話を聞いた与左衛門の爺様は、次の日、村の衆と一緒に宮様の所に行ってみた。すると、与左衛門の仕事道具が置いてあって、大杉の根の下に足跡の穴が二つ開いておった。それに大杉の皮が引きちぎられておったそうじゃ。

こんなことがあってから、与左衛門は力自慢をせんようになったそうじゃ。そうして、村の衆は「大杉の精が天狗に化けて与左衛門を懲らしめたのじゃ。あまり力自慢ばかりすると与左衛門のように天狗様に懲らしめられるぞ。」と言うて、戒めにしたということじゃ。

(投稿者:ニャコディ 投稿日時 2014/5/18 15:44) 


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