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わらび山(わらびやま)

放送回No.1104(0696-A)
放送日1989年04月29日(平成01年04月29日)
出典佐々木徳夫「陸前昔話集」より
クレジット演出:若林常夫 文芸:沖島勲 美術:内田好之 作画:若林常夫
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔々、ある所に貧しい村があった。

この村が貧しいのには訳があった。それと言うのも、この村では雨が降る度に村はずれのはげ山から洪水が押し寄せ、せっかく植えた苗が駄目になってしまうからだった。

さて、このはげ山のすぐ下に、村でもとりわけ貧乏な五助という男が住んでいた。五助は今日も空腹に耐えながら野良仕事をしていた。明日は八十八夜。皆で餅をついて村のお社にお供えする日だ。ところが五助の家にもち米など一粒もない。

仕方なく五助は隣近所をまわって、もち米を分けてもらった。こうして、ようやく五助も村のお社に小さな餅をお供えすることが出来た。そして、今年こそは稲が丈夫に育つようにと、村の皆と一緒に神様にお願いするのだった。

するとその夜の事、神様が五助の夢枕に立った。神様は、貧乏にもかかわらず餅を供えた五助の行いを褒め、褒美を授けると言うのだ。五助が神様について行くと、そこには七つの蔵があった。七つの蔵にはそれぞれ、米、金、藁(わら)、刀、鉄砲、着物、馬が入っており、どれでも好きな蔵を一つ五助にやると言う。

五助は考えた。こんなにたくさんの金の使い道は知らない。米もいつかは無くなる。刀や鉄砲では畑を耕せない。そこで五助は藁の蔵をもらうことにした。藁の使い道には困らなかったからだ。

翌朝、目が覚めると果たして五助の家の裏には、藁が山のように積まれていた。夢で見たことは本当だったのだ。五助は、藁を燃やした灰を畑に撒き肥料にしたが、山のような藁はちっとも減らない。

するとまた五助の夢枕に神様が立ち、残った藁をはげ山で燃やせと言うのだ。五助は神様に言われた通り、藁を全部はげ山に運ぶと、藁に火をつけた。

するとどうだろう。藁を燃やした灰が肥料となり、はげ山にたくさんの蕨(わらび)が芽生えたのだ。この蕨を売ることで村人の生活も楽になり、さらに山には木も根付き、数年の内に山は緑に覆われた。おかげで村が洪水に悩まされることも無くなり、村は毎年豊作に恵まれたということだ。

(投稿者: やっさん 投稿日時 2013-8-16 10:10) 


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