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渡廊下の寄附(わたりろうかのきふ)

放送回No.1103(0695-B)
放送日1989年04月22日(平成01年04月22日)
出典大庭良美(未来社刊)より
クレジット演出:あがわさち 文芸:沖島勲 美術:阿部幸次 作画:塚田洋子
ナレーション常田富士男

あらすじ

昔ある所に大変ケチなお金持ちの男がいた。村でどんな災難が起こって寄付をつのっても、ビタ一文出したことが無かった。

そんなお金持ちを見て和尚さんは、ある夜お金持ちの家に出向いて、寺の渡り廊下を作るための寄付をお願いしたいと言った。和尚さんが「人間一生に一度は世のため、人のために良い行いをしないと地獄へ堕ちますぞ」と言った。それを聞いたお金持ちはびびり、一両の寄付をした。そのお金で寺には渡り廊下ができた。

しかしそれから幾日もしない内に、お金持ちはふとした病気で死んでしまった。ケチとはいえお金持ちの旦那様のことなので、葬式は村中総出で行われた。幸い天気も良く葬式は滞りなく行われ、後は墓に行くだけとなって葬式の列は墓へ向かった。

ところがその時突然空が曇ったかと思うと、不気味な黒い雲が棺桶の上の現れた。そして黒雲から大きな手が出てきて棺桶をつかみ、天高く運びさろうとした。 その時和尚さんは「待てー、廊下!渡り廊下ー!」と叫んだ。

すると黒雲はぴたりと止まり棺桶を地上に下ろした。そしえ黒雲はどこかに消え、空はまた晴れ渡った。小僧さんがあの黒い雲は何だったのかと聞くと和尚さんは「あれは『かしゃ』と言って、強欲な人が死ぬと死体を地獄に運んで取って食う魔物じゃ」と答えた。

そして渡り廊下とは何のことか聞くと和尚さんは「お金持ちの旦那は強欲な人だったが生前ひとつだけ良い行いをしていた。それが渡り廊下の寄進じゃ」と教えた。和尚はお金持ちの旦那が死んで、かしゃに取られるようなことがあってはならないと思い、生前無理矢理渡り廊下の寄付をさせていたのだった。

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


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