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大ヘビと大ダコ(おおへびとおおだこ)

放送回No.1075(0679-A)
放送日1988年12月10日(昭和63年12月10日)
出典愛媛の伝説(日本標準刊)より
クレジット演出:やすみ哲夫 文芸:沖島勲 美術:あかばんてん 作画:古宇田文男
ナレーション常田富士男

あらすじ

むかしむかし、愛媛の御五神島(おいつかみじま)には松の木がたくさん生えておって、その中に一本、特に大きな松の木があったそうな。島の人々は畑を耕したり魚を獲ったりして暮らしておった。

この島には大ヘビが住んでおって、このヘビが島のあちこちへ移動するたびに畑が荒らされ、島の人々はほとほと困っておった。島の海には大ダコが住んでおって、こちらも突然現れるので島の人々の漁の妨げとなっておった。

この大ダコ大ヘビはお互いに普段からいがみ合っておって、ある時、本当に強いのはどちらか力比べをすることになったそうな。何しろ体の大きな二匹の争いじゃから、島の人々は舟で島から避難する始末じゃった。大ヘビと大ダコは、大きな松の木のある島の真ん中で力比べを始めた。

大ダコは六本の足の吸盤を島の地面に吸いつけ、残りの二本の足を大ヘビの首に巻きつけて、足を一本ずつ移動させながら大ヘビを引っ張る。すると大ヘビは尻尾を大きな松の木にからめ、大ダコを引っ張り返す。なかなか勝負はつかんかったが、やがて、大ダコの方が強く引っ張り始め、大ヘビの体は限界まで伸びきった。

「頼むぞ、松の木よ。抜けてくれるなよ……。」と、大ヘビは尻尾に力を込めて祈ったが、大ダコはここで勝負をつけようと全身の力を振り絞った。すると突然、大きな音を立てて松の木は根元から抜け、その勢いで松の木も大ヘビも大ダコも、海の彼方へ吹っ飛んでしもうた。

それっきり、大ヘビも大ダコも二度と御五神島に姿を見せることはなかった。こうして島の人々はそれ以来安心して暮らすことが出来たそうな。じゃが、不思議なことに、大ヘビの松の木への恨みなのか、それ以来、御五神島にはいくら松の木を植えても育つことはなかったそうな。そうして、大ヘビの話をするとその夜必ず、大ヘビの夢を見るということじゃ。

(投稿者: ニャコディ 投稿日時 2013-1-19 20:39 )


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