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山の神と海の神(やまのかみとうみのかみ)

放送回No.1068(0674-A)
放送日1988年11月05日(昭和63年11月05日)
出典三重の伝説(日本標準刊)より
クレジット演出:小林治 文芸:沖島勲 美術:板倉佐賀子 作画:柳田義明
ナレーション常田富士男

あらすじ

三重の尾鷲(おわせ)には国市(くにいち)の浜という浜辺があり、ここは青い松並木に白い砂浜が広がる風光明媚な場所だった。そのため、この浜には海の神様や山の神様が時々散歩に訪れていた。

そんなある日、山の神様が浜を散歩していると、これまた浜を散歩していた海の神様とばったり鉢合わせになった。二人の神様は挨拶を交わし、お互いの家来を紹介し合う。海の神様は鯛とヒラメをお供に連れており、2匹とも鱗がキラキラ光り立派に見えた。山の神様は、自分の姿がこれ以上なく不細工だと思っていたので、これを見てがっくり肩を落として、お供の狐と山に帰っていった。

見た目ではかなわないと思った山の神様、せめて家来をたくさん連れていれば見栄えもするだろうと、今度は狐、タヌキ、猪、熊を連れて浜辺に散歩をしにきた。ところが、これに対し海の神様は、鯛とヒラメに加え、アジ、サバ、太刀魚の総勢5匹も家来を連れているではないか。

またまたがっくりした山の神様は、今度こそはと、総勢12匹の家来を連れて浜辺にやってきた。さて、海の神様はというと、13匹家来を連れていたはずだが、数えてみると12匹しかいない。お互い家来が12匹で、めでたしめでたしと思ったその時、遅れて海の神様の13番目の家来、オコゼがやってきた。

これを見た山の神様、またがっかりすると思いきや、突然大声をあげて笑いだした。それは、オコゼがあまりに不細工で珍妙な姿だったからだ。家来の数では負けたものの、自分より不細工な者がいると知った山の神様は、喜んで山に帰って行き、それからは山や田畑をしっかりと守ってくれたそうだ。

こんな訳で、国市の浜の村人は毎年11月7日の山の神の祭りに、懐の中に入れたオコゼを山の神様に見せて、神様を安心させるのだという。

(投稿者: やっさん 投稿日時 2012-6-27 16:14)


参考URL(1):http://kumanokodo.info/blog/index.php?itemid=34
地図:三重県尾鷲市の国市の浜(地図は適当)

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