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坊さんの手伝い(ぼうさんのてつだい)

放送回No.1063(0671-A)
放送日1988年10月15日(昭和63年10月15日)
出典愛知のむかし話(日本標準刊)より
クレジット演出:泉真一 文芸:沖島勲 美術:田中静恵 作画:上口照人
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔ある村に、働き者の与平という男とその妻がおりました。与平夫婦の田んぼは、猫の額ほどの小さなものでしたので、二人の生活は決して楽ではありませんでした。

明日が稲刈りという晩、汚い身なりで臭いニオイの旅の坊さんが訪れました。夫婦はいつものニコニコ顔で坊さんを招き入れ、お風呂をわかし、汚れた衣を洗い、大根を全部料理してご馳走してあげました。

翌朝、目を覚ました夫婦が稲刈りに出かけようとすると、坊さんが「是非、稲刈りを手伝わせてくれ」と言い出しました。夫婦は「狭い田んぼで一日もかからないから」と、丁寧に断りましたが、坊さんの強い希望で三人で稲刈りをする事にしました。

坊さんはいかにも楽しそうに、唄を歌いながらサクサクと稲を刈っていきました。夫婦もつられて一緒に歌いながら、一日中気持ちよく働き、沢山の稲を刈りとりました。夕方になりふと田んぼを見ると、去年と同じくらい刈り取ったハズなのに、まだまだ沢山の稲が残っていました。

翌日も三人で精一杯、稲刈りをしましたが、それでもまだ田んぼに半分の稲が残っていました。また翌日も三人で必死で稲刈りをして、どうにか夕方ごろに全部の稲を刈りとる事ができました。不思議な事に、刈り取った稲は去年の何十倍もの量になりました。

こんな事があってから、与平夫婦の田んぼからは、毎年たくさんの米がとれるようになり、これまで世話になった村人たちにも分けて回るようになりました。さらに翌年には、夫婦に子宝も恵まれて、二人はいつまでも幸せに暮らしました。

村人たちは「坊さんはきっと弘法大師だったのだろう」と、うわさしました。

(紅子 2012-7-25 3:20)


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