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元のさや(もとのさや)

放送回No.1055(0666-A)
放送日1988年09月10日(昭和63年09月10日)
出典和歌山県
クレジット演出:若林常夫 文芸:沖島勲 美術:安藤ひろみ 作画:若林常夫
ナレーション常田富士男

あらすじ

昔ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでいました。毎日毎日、もう何十年とお爺さんは山へ柴刈りに、お婆さんは川へ洗濯へ行っていました。

二人は同じ仕事を何十年も続けているうちに、自分の仕事に嫌気がさしてきました。ついにお婆さんは食事の準備をするのも嫌になり、その日は寝てばかりして過ごしました。その翌日はとうとう洗濯仕事を途中で放棄しました。

もう自分の仕事がほとほと嫌になっていた婆さんが不満を口にすると、それを聞いた爺さんも「オラも常々そう思っていた」と同じ気持ちだった事がわかりました。そこで二人は、お互いの仕事を交換してみる事にしました。

翌日、お婆さんは大喜びで柴刈り仕事に出発しました。意気揚々と向かった先は、いつも洗濯をしていた川でした。お爺さんはというと、洗濯物を持って山へ駆け上っていました。

二人は「やっぱり元の仕事がいいなぁ」とつくづく感じ、元のさやにおさまり、二人は末永く幸せに暮らしましたとさ。

(紅子 2012-11-1 4:24)


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