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カラスの行水(からすのぎょうずい)

放送回No.1043(0658-A)
放送日1988年07月16日(昭和63年07月16日)
出典福井のむかし話(日本標準刊)より
クレジット演出:辻伸一 文芸:沖島勲 美術:青木稔 作画:辻伸一
ナレーション常田富士男

カラスの嫁さんは、風呂からあがるのが早い

昔ある所に、一人の貧乏な男がいました。

貧乏すぎで嫁をもらう事ができないので、今日も男はボヤキながら、あぜ道に寝転がっていました。日もとっぷりと暮れてきたので、男が家路についているとどこからかカランコロンと下駄の足音が聞こえてきました。

やがて男の後ろから、若い女が小走りでかけてきました。そして女は突然「オラを嫁さんにしてください」と、男に言いました。男はビックリしましたが、女とそのまま結婚し、二人仲よく新婚生活が始まりました。

嫁になった女は、毎日の農作業も一生懸命に働きました。しかしこの嫁さんはたいへんな風呂ギライで、なかなか風呂に入りませんでした。男は、あんまり嫁が汚れたままなので、ついに「今日こそ風呂に入れ」と怒鳴りました。嫁はしぶしぶ風呂に入りましたが、あっという間にキレイに洗って上がってきました。

男は、毎回あっと言う間に風呂からあがってくる嫁がとても不思議でした。一度確かめてみようと、嫁の風呂をこっそり覗いてみると、なんと真っ黒いカラスがいました。男が驚いて声をあげると、嫁のカラスは「ワテにはワテの風呂の入り方があったのに、悲しいわぁ」といって、飛び去っていきました。

カラスはそれっきり戻ってくることはありませんでした。こんな事があってから、風呂に入ってすぐあがってくる事を「カラスの行水」と言うようになりました。

(紅子 2012-11-19 23:12)


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