No.1040
しろいすずめ
白いスズメ

放送回:0656-A  放送日:1988年07月02日(昭和63年07月02日)
演出:白梅進  文芸:沖島勲  美術:安藤ひろみ  作画:白梅進
奈良県 ) 18862hit
あらすじ

奈良県のあるところに、大変な金持ちの庄屋さんがいた。広大な敷地内には酒蔵、米蔵、醤油蔵、味噌蔵などがあり、大勢の使用人とともに暮らしていた。

ある日突然、庄屋さんが亡くなってしまった。残ったおっかあと若い一人息子が商売を引き継ぐ事になったが、若息子は朝起きが苦手だったので、もう皆とっくに働き始めてしまった頃にやっと起きだして仕事場の見回りに行っていた。

ある晩の事、おっかあが遅くまで帳簿の整理をしている事に気が付いた。その様子が何やら気になって、若息子はお世話になっている和尚さんに相談した。和尚さんは、「早朝にいる白いすずめを見つけられたら、その心配はなくなるよ」と教えてくれた。そこで若息子は、白いすずめを見つけるために、夜中から蔵の陰でずっと待っていた。

深夜になると、闇に紛れて使用人たちが蔵から出てきた。実は使用人たちが、朝起きが苦手な若息子にはばれないだろうと、勝手に酒や豆や味噌、醤油などあらゆるものを持ち出していたのだった。それに気が付いた若息子は、朝は誰よりも早く起きて仕事場を見て回るようになった。おかげで、以前にもまして商売も繁盛したそうな。

(紅子 2011-7-7 21:05)


ナレーション常田富士男
出典松本俊吉(未来社刊)より
出典詳細奈良の民話(日本の民話75),松本俊吉,未来社,1980年08月20日,原題「白いスズメ」,採録地「北葛城郡」,話者「松本イエ」
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このページを印刷
追加情報
このお話の評価9.2222 9.22 (投票数 9) ⇒投票する
※掲載情報は 2011/7/7 21:05 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
お話の移動 ( 16  件):   <前  1 ..  7  8  9  10  11  12  13  .. 16  次>  
コメント一覧
2件表示 (全2件)
Perenna  投稿日時 2020/10/20 0:48
この昔話は昭和5年(1930年)に出版された「お話全集・尋常2年生」という本にも掲載されています。(コマ番号13/159)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1169048/13

話者の松本イエさんという方は、「奈良の民話」の著者である松本俊吉氏の「妻・智恵子の母」であると、まえがきに書かれています。
松本イエさんは1899年生まれ、娘さんの智恵子さんは大正9年(1920年)生まれだと書かれています。
おそらく、智恵子さんが小学生のときに読んでいた「お話全集・尋常2年生」の話が元になっているのではないでしょうか?
「奈良の民話」には、松本イエさん、智恵子さん母娘の語った話が多いのですが、どれも短い一口ばなしや創作したような話、または普遍的な昔話がほとんどです。
「白いスズメ」は奈良県固有の昔話ではないと思われます。
primesonjp  投稿日時 2015/3/1 16:27
昔高校だか、大学高の英語の教科書に「Wite Sparrow]と言う英国の貴族の話でほぼ同じ内容の
文章を読んだ記憶がありました。
80歳大阪府在住
男子「primesonjp]
投稿ツリー
2件表示 (全2件)
現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

44 人のユーザが現在オンラインです。 (20 人のユーザが お話データベース を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)