No.1036
びゃっこのゆ
白狐の湯
高ヒット
放送回:0653-B  放送日:1988年06月11日(昭和63年06月11日)
演出:山田みちしろ  文芸:沖島勲  美術:板倉佐賀子  作画:山田みちしろ
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あらすじ

岐阜県は瑞浪市釜戸町の西の外れ、百田という所での話だった。人里離れたこの場所に草堂を結び、一人で暮す老僧がいた。僧は自然を相手にした生活の中、くる日もくる日も木材に鑿を打ち弁天像を作っていた。

出来上がった弁天像を川のほとりの平原に安置したところ、いつの日からか白狐が像の傍らに寄り添うようにしてじっと像を見ているのに僧は気づいた。獣の身ながら仏心の篤い狐であると一人で暮らすその老僧は興味を持ち声をかけた。

狐は言葉を喋ることは無かったが白狐は老齢であって又弁天像を貰い受けたいと思っているのだと分かった。僧は経を解するようになれば狐に観音像をやろうと言い、経を習いにくるように言った。それから朝の読経を終えるころにはいつも狐は僧の庵を訪れるようになった。そして僧は狐の持ってきた木の葉に少しずつ経文を書いて渡してやった。

ところがある日、いつもの様に訪れると思っていた狐が読経を終えてもまだ姿を現わさない。僧はあたりの山じゅう狐を探し歩いた。すると岩穴の中で冷たく横たわる白い狐を見つけた。狐は僧の書いた木の葉の経文の上に身を横たえながら眠るようにして死んでいた。

一人で死んで行くのが寂しくて狐は弁天像を欲しがっていたのだと僧は気づき、像を遣り渋ったような自分を深く後悔した。僧は像を狐の傍らにそっと渡すと丁寧に狐を埋葬した。その晩僧の夢の中に狐が現れた。

礼を述べると自分を埋めた岩の近くの土を掘るようにと笑顔で狐は言った。次の朝、村人たちと共に僧は辺りの土を掘ると温泉が沸いてきた。そこで温泉は白狐の湯と呼ぶようになった。

(投稿者: mukasi2 投稿日時 2011-9-8 8:56 )


参考URL(1)
http://www.pref.gifu.lg.jp/kurashi/kankyo/shizenhogo/c11265/water30.html
参考URL(2)
http://xn--w0w51m.com/sinmeisui/
ナレーション市原悦子
出典岐阜県
VHS情報VHS-BOX第6集(VHS第51巻)
場所について白狐温泉(周辺)
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地図:白狐温泉(周辺)
追加情報
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※掲載情報は 2011/9/8 20:17 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
4件表示 (全4件)
ゲスト  投稿日時 2014/10/13 23:38 | 最終変更
ヒトツバタゴといえばナンジャモンジャの木ですね
本来は何かよく解らない木の総称ですけど、園芸界ではナンジャモンジャの木=ヒトツバタゴのようで
とにかく雰囲気がいいお話ですよね
お坊様も老狐も、何とも言えず優しくて穏やかで、ふたりの交流が心温まっただけに、
お坊様が葉の枚数を数え間違えて弁天像を渡してあげられなかったのは切なかった

そうそう、説明文では観音様となってますが、正しくは弁天様ですよ、この話の中では
__
ご指摘ありがとうございました。観音像→弁天像に訂正 (2014/10/18)
beniko  投稿日時 2011/9/10 20:01 | 最終変更
なるほどー!ヒトツバタゴが要ですね。
リンク先を拝見しました、人為分布表のセル中の文字も、マウスでドラッグして反転したら(選択したら)読めました。

早速、白狐温泉もマッピングしました。ありがとうございました。

※この木の葉は広くてデコボコしてないから、お経も書きやすそうですね。「一つ葉、たご」かー。紅子は「ひとつ、ばたご」だと思っていました。
mukasi2  投稿日時 2011/9/10 0:51
作品中ではヒトツバタゴと木の名前を特に指定して話中出てきます。
聞いた瞬間は話が引き締まっていい感じだと思ったのですが、後で何か珍しい木をどうゆう訳かなと引っかかってました。
岐阜県HPでは"このほとりには国指定天然記念物のヒトツバタゴがあり、毎年春に見事な白い花を咲かせています。"と文末尾にありますので、当地では特に付け加えて説明して然るべきような見どころの一つなのでしょう。
ヒトツバタゴは分布が狭く絶滅危惧種でもあるとwikipediaにあるので、話や名称の類似に加え植生を地域の特定の補助手段にしてもよいのでは?
作品時期は20年前そこそこなので樹木であることを考えると当時も同じような植生でヒトツバタゴが印象的な温泉だったのでは?
文芸の方がヒトツバタゴと態々入れたのは白狐温泉をある程度意識してのことだろうとおもいます。
なお http://www2.ocn.ne.jp/~bwd/hitotsubatago.htm には
ヒトツバタゴの自生地がのってました。岐阜内なら絞れそうです。
人為分布(僕のPCで何故か表が見えなかったけど)も有るみたいですけど^^;。
beniko  投稿日時 2011/9/8 20:30 | 最終変更
岐阜の白狐温泉、というのは実在していますけど、このお話で湧いたお湯の事でしょうか?
いまいち、確信が持てません。。。。

岐阜県のホームページを見てみると、お湯の沸いた由来が、このアニメのお話と少し違うんだけど、アニメならではのアレンジが入っているのでしょうかね。

岐阜の白狐温泉=このお話の温泉、という事で正しいのでしょうか。誰か情報をお持ちでしたら教えてください。(もし白狐温泉の場所が判明したら、地図にマッピングしたいと思っています)

※紅子はこのお話、好きなんですけど、DVDには入りませんね~。
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