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縁起かつぎの吉平さん(えんぎかつぎのきちべえさん)

放送回No.1014(0639-A)
放送日1988年03月05日(昭和63年03月05日)
出典熊本県
クレジット演出:若林常夫 文芸:沖島勲 美術:田中静恵 作画:若林常夫
ナレーション市原悦子

縁起かつぎもほどほどにしようね、って話

昔、熊本に何事にも縁起をかつぐ吉平さんという男がいました。

大根の種まきをする季節になり、朝から茶柱も立った事で「縁起の良いタイミングで種まきができる」と、喜んで畑に向かいました。

その途中、手拭いを拾ってあげた姉さんに「はばかりさん」とお礼を言われた吉平さんは、がっかりして「はばかりさんとは、縁起が悪い。大根が葉ばかりになる」と言って、その日は種まきをやめました。

翌日、またまた茶柱が立ったので意気揚々と畑に向かっていたところ、歯が痛くて苦しんでいる娘に出合いました。「虫歯が痛い」と言う娘の言葉を聞いた吉平さんは「大根の葉に虫がついてしまう、縁起が悪い」と、種まきをやめて家に帰りました。

ところが、翌日からは一向に茶柱が立ちませんでした。何日も何にも茶柱が立たず、大根の種まきは1か月も延期され続けました。ようやく茶柱が立ったある日、今日こそ種まきをしようと注意しながら畑に向かいました。

なるだけ人に会わないよう迂回して畑に行きましたが、庄屋さんと出会ってしまいました。吉平さんは目も合わさず「人と話すと縁起が悪いから」と会話を避けましたが、それを聞いた庄屋さんは怒って「根も葉もない事を言っている」と、言い捨てて去っていきました。

その年の吉平さんは、とうとう大根の種まきはしませんでした。その年の大根は高値で取引されたので、吉平さん以外の村人たちはたいへん儲けたそうです。

(紅子 2013-10-18 23:44)


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