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クジラとモグラ(くじらともぐら)

放送回No.1010(0636-B)
放送日1988年02月13日(昭和63年02月13日)
出典和歌山県
クレジット演出:玉井司 文芸:沖島勲 美術:玉井司 作画:堀田篤子
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔、紀州の人里離れた海辺の寺に、ひとりの坊さまが修行をしていました。

ある日のこと、坊さまが観音様の前で念仏を唱えていると、観音様の声が聞こえてきました。「熊野へ行き、那智の滝で荒行をすることで悟りを開きなさい。しかし那智の滝に向かう人間を食う鬼がいるので気をつけなさい」

翌朝、坊さまは船に乗り込み海へ出ました。その途中、シャチの群れに追われているクジラを助けてあげました。熊野に近い海岸に到着した坊さまが、熊野に向けて歩いていると、子供たちにいじめられているモグラを見つけ、助けてあげました。

坊さまは、熊野に向けてどんどん山奥へ入って行くと、かすかに滝の音が聞こえてきました。もうすぐ那智の滝に着くと思った時、坊さまの目の前に恐ろしい鬼が姿を現しました。坊さまは必死に鬼と戦い、ありったけの念仏で鬼を溶かし、退治しました。

鬼との戦いに勝った坊さまの目の前には、那智の滝がありました。しかし那智の滝は、滝壺が深く広く落ちこみ、とても滝の落ち口まで行けそうにありませんでした。坊さまが困っているところに、助けたモグラが仲間を連れてやって来て「お礼にわたしがお坊さまを助けましょう」と言いました。

モグラたちは、穴を掘って滝の水を海まで流す方法を考えましたが、大量の水に対する良い方法が浮かびませんでした。海を見ながら困っているモグラの所へ、坊さんが助けたクジラが現れ「今度は私が坊さまを助ける番です」と言いました。

モグラたちが、滝壺から海の出口ぎりぎりまで穴を掘りました。そして、その穴の近くをクジラが思いっきり頭突きをし、滝壺から海までの排水道を作りました。滝壺の排水がうまくいったおかげで、滝壺の水はたちまち減り、荒行ができるくらいになりました。

坊さまはクジラとモグラに感謝し、来る日も来る日も荒行を続けました。やがて無事に荒行を終わらせ、偉い坊さまになりました。

(投稿者: Kotono Rena 投稿日時 2013-9-4 22:53)


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