No.1207
ごんぞうむし
ごんぞう虫
高ヒット
放送回:0762-B  放送日:1990年08月18日(平成02年08月18日)
演出:三善和彦  文芸:沖島勲  美術:三善和彦  作画:三善和彦
岡山県 ) 27538hit
下駄をはいて転べば、小判が出るけど背が縮む

昔々、あるところに太郎という男の子が病気の母親と二人で暮らしていた。

太郎は毎朝しじみを売って貧しい家計を助けていたが、二人の暮らしは大層貧しく、母の薬も満足に買うことができなかった。太郎は大金持ちの権造伯父に頼み込んで百文の金を借り、母に僅かばかりの薬を飲ませた。

それからせっせと働いて、ようやく百文こしらえた太郎が権造に返しに行くと、権雑は百文について五百文の利息を要求した。太郎は必死に働いたが、とても返せる金額ではなく、更に利息は増えて行くばかりだった。

薬も無くなって年の瀬が迫り、困った太郎が再び権造の家に金を借りに行くが、にべもなく断られてしまう。ガッカリして帰る途中の橋の上で、太郎は白髭の老人から一本足の下駄を手渡された。老人は、その下駄を履いて一転びすると小判が一枚出るが、あまり転ぶと体が小さくなるから気を付けろと言って消えてしまう。

早速、家に返った太郎が下駄を履いて転ぶと、老人が言ったとおりに小判が一枚飛び出した。太郎は三回転んで小判を三枚手にすると、下駄を神棚に祭った。

ところがたちまちこの噂を聞きつけた権造が、太郎のいない間にこの下駄を持っていってしまった。権造は庭一杯に風呂敷を敷き詰めると、無我夢中で転びまくった。慌てた太郎が権造の家に駆けつけると、庭一杯に光輝く小判の山があるだけで、権造の姿は何処にもなかった。やがて小判の山から下駄を見付けた太郎が、鼻緒に付いた小さな虫を指で弾き飛ばした。実はそれがすっかり小さくなってしまった権造だったのである。

(引用:狢工房サイト)


参考URL(1)
http://mujina.agz.jp/gonzou.html
ナレーション常田富士男
出典稲田浩二(未来社刊)より
出典詳細岡山の民話(日本の民話36),稲田浩二,未来社,1964年03月15日,原題「ごんぞう虫」,採録地「岡山市」,再話「稲田浩二」,岡山文化資料より
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※掲載情報は 2011/12/31 4:47 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
8件表示 (全8件)
ゲスト  投稿日時 2021/1/25 7:23
お母さん想いの蜆売りの太郎は孝行者、権造おじさんは欲深でけちんぼ。
Perenna  投稿日時 2020/1/29 22:52
この昔話は、未来社の「福岡の民話・第一集」(加来宣幸編)にも「権三虫」(ごんざむし)という題で収録されています。
「むかし、むかし。英彦山の麓に、徳兵衛に、源吉、雪の親子が、貧しいながらも仲よく暮らしておりました。」
という出だしで始まっています。
稲田浩二の「岡山の民話」は未来社の同じシリーズですが、出版されたのは1964年です。
かたや「福岡の民話」は1960年に初版が出ています。
この二つの民話が、どのように関係があるのか興味津々ですね。
ゲスト  投稿日時 2016/4/26 9:43
私利私欲に走るといつしか冷静さを失うということですね。
ゲスト  投稿日時 2016/3/26 15:33
ごんぞう虫=ツツガムシ(ダニ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%84%E3%83%84%E3%82%AC%E3%83%A0%E3%82%B7
夏になるとツツガムシ病による死者のニュースがしばしば聞かれる。

妖怪としてのツツガムシ
石見国(島根県西部)に夜な夜な民家に入り込んでは寝ている住人の生き血を吸う「ツツガ」という虫がいた。のちに陰陽博士により退治された。

ごんぞうおじさんは、人間の形をしていても人を苦しめていました。
そして、ごんぞう虫になった後も、人を病気にさせて苦しめます。
醜い心が 怖いこわい「妖怪ツツガムシ」にさせたのかも知れません。
ゲスト  投稿日時 2016/3/26 15:11
たからげた (日本の民話えほん)
作者: 香山美子,長新太 出版社/メーカー: 教育画劇 発売日: 1998/06 メディア: 単行本

 日本の民話えほん第2集の4冊目。
 「ごんぞうむし」って何?とまず思いました。検索してみると、この『たからげた』のお話そのものが、『ごんぞう虫』という題名で、岡山県や福岡県の昔話としてあるそうです。画像検索してみると、なんだかいろんな虫が出てきて、わけがわからなくなりました。「ダニ」「ダニの一種のツツガムシ」「米につくゾウムシ」「カメムシみたいなヤツ」・・・
 長新太の絵を見ても、とにかくきらわれるような虫だなという程度でしかわからない。子どもたちが突っついておもちゃにしているところが、「ごんぞうおじ」のなれの果てとしては、納得できるかなと思います。
 ごんぞうおじの家にいた猫も、どこに行ったのだろうと気になりました。ごんぞうおじが夢中で小判を出しているところ、どんどん小さくなって虫のようになっていくところをそばで見守っているねこの表情が印象的でした。
 哀れなごんぞうおじがその身に変えてだした小判は、おかあとむすこのものとなったようですね。

< おかあと むすこは こばんと いっぽんばの げたを だいじにして、
 ながく しあわせに くらしました。>
http://d.hatena.ne.jp/hachi1lib+dokushokiroku/20130514/1368500799
ゲスト  投稿日時 2016/3/26 15:04
ごんぞう虫
昔、備前の国に貧しい親子がひっそりと暮らしていました。
懸命に働いても、一向に生活は楽にならず、ある時、とうとう母親は病気になってしまいました。子ども一人ではどうする事もできません。
やむなく・・親戚の、大百姓の権蔵伯父さんのところへ借金を頼みにでかけました。
ところが・・権蔵おじは・・「お前らのような仕事もでけん者に、金など貸せぬわい、」っとロクに話も聞いてくれません。
とぼとぼと・・帰る途中、川端の小さな祠に「おっかさんの病気を治して下さい」とお願いする事しかできませんでした。
橋を渡ろうとした時・・うしろから「これこれ、そこの小僧、チョッとお待ち」っと声がしました。
振り返ると、白髪の爺さまが・・
「小僧!ほれ・・いい物をやろう」と汚い下駄をくれました。
子どもが、怪訝な顔をしていると
「いいか・・よく聞け!この下駄を履いて、一回ころぶと、一升の米が出てくる・・・ただしな、ころぶごとに、お前の背丈が縮まるから、いっぺんに何度もころぶなよ!」
そう言うと・・お爺さんの姿は川霧のまぎれて、消えてしまいました。
子どもは、半信半疑ながら・・家にかえって、おっかさんに訳を話て、土間にムシロを敷いて、下駄をはいてころんでみました。
すると・・・・さらさら・・何処からとも無く米があふれ出てきます。
親子は、手を合わせ・・必要なだけを出しては、生活の足しにして居るうちに、病気も治り 生活も楽になってきました。
その・・不思議な下駄の話を・・何処で聞きつけたか、ある時
権蔵伯父さんが、この家にやってきました。
「ホ~これが、その下駄か・・チョッと借りてゆくぞ」っと勝手に神棚の下駄をひったくって、行ってしまいました。
「あァ~使い方を間違えると大変な事に・・・・」っと
息子があわてておいかけましたが・・・
権蔵は、家に帰ると、庭いっぱいに風呂敷を敷いて、
下駄をはいて、、ゴロン・・米がさらさら~・・
ゴロン・・さらさら~・・・・・
大喜びで転げまわりました。
息子が、権蔵の屋敷に駆けつけたとき・・・
庭いっぱいに、米の山が出来ていました。
けれど・・権蔵伯父の姿が見えません「おじさーん」と呼んでも
お米の山ばかり
気がつくと、米の山に埋もれて・・あの下駄があります。
よく見ると・・げたの鼻緒に、ちいさな黒い虫がへばりついておりました。
それから・・権蔵伯父さんは、とうとう戻ってきませんでした。
権蔵は夢中になって、自分の背丈が縮む事も気がつかず、とうとう小さな虫けらになってしまったのです。
お米に付く、小さな虫のはじまりだそうです。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=2315046&id=22134605
ゲスト  投稿日時 2016/3/26 14:58
「宝の下駄」と「ごんぞう虫」というお話は類似ですね。
ゲスト  投稿日時 2016/3/26 14:52
「ごんぞう」とは今でも悪い意味で使われているようです。

「何事につけ隠語を使う警察部内の一部では、
こうした市民に不親切で、やる気のない警察官を
“ごんぞう”と呼び、厄介者扱いしてきた。」
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n127665
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