No.0987
ひめとしろへび
姫と白蛇
高ヒット
放送回:0622-B  放送日:1987年10月31日(昭和62年10月31日)
演出:山田みちしろ  文芸:沖島勲  美術:亀谷三良  作画:山田みちしろ
写真あり / 栃木県 ) 61403hit
あらすじ

昔、栃木のある寺の前で、菓子や線香を売って暮らしているお婆さんがおりました。信心深いお婆さんは毎朝、お寺の山門の掃き掃除をしておりました。

ある霧の深い朝のこと、一人の美しい娘がお寺に入っていくのを見ました。それからというもの、霧の深い朝になるとこの娘が現れるようになり、気になったお婆さんは娘の後をついて行きました。

霧に包まれた観音堂の中を覗いてみると、先ほどの娘と着物を被った別の娘がお祈りしていました。お婆さんに気配に気づいた娘は、もう一人の娘を守るかのように、みるみる大きな白い蛇になりました。お婆さんからこの話を聞いた和尚さんは、こんな話をしてくれました。

昔、ここのお城にそれは美しい姫がいて、その姫には姉妹のように育った美しい娘が傍に仕えていた。ある時、家老が謀反をおこし、それを知った姫を殺そうとした。しかし、それを庇った娘が斬り殺されてしまったのじゃ。それ以来、姫の傍に白い蛇が現れ、姫を守ったのだそうだ。しかし姫もまもなくして殺されてしまったそうじゃ。

お婆さんは自分達の供養のために観音堂に通う姫と娘が哀れになって、寺にあった姫のお墓に線香を供え、お参りしてあげました。ところが、どこにも娘のお墓の方がありません。それが心残りでその晩はお婆さんは眠れませんでした。

次の日、寝過ごして朝の山門の掃除ができなかったお婆さんは夕方に掃除を始めました。すると、あの娘が寺から帰ってくるのです。お婆さんが後をつけると、娘は寂れてボロボロになった寺に消えていきました。そこには草に埋もれ、苔むした娘のお墓がありました。

お婆さんは、娘のお墓を綺麗に掃除してやり、お参りしてやりました。それから二人の霊は現れることはありませんでしたが、お婆さんは可哀想な二人の娘を忘れることはなく、毎日欠かさずお参りしたそうです。

(投稿者: もみじ 投稿日時 2012-7-9 12:26 )


ナレーション常田富士男
出典日向野徳久(未来社刊)より
出典詳細栃木の民話 第二集(日本の民話39),日向野徳久,未来社,1965年07月10日,原題「蛇姫さま」,採録地「那須郡」
現地・関連お話に関する現地関連情報はこちら
場所について蛇姫様のお墓(太平寺内。二代城主、大久保忠胤の四女、於志賀の墓)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このページを印刷
地図:蛇姫様のお墓(太平寺内。二代城主、大久保忠胤の四女、於志賀の墓)
追加情報
このお話の評価7.2857 7.29 (投票数 7) ⇒投票する
※掲載情報は 2012/7/9 21:55 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
お話の移動 ( 39  件):   <前  1 ..  28  29  30  31  32  33  34  .. 39  次>  
コメント一覧
6件表示 (全16件)
マルコビッチ  投稿日時 2011/12/14 22:52
この間・・・「犬切り不動」に行った日に「姫と白蛇」の舞台?である太平寺に行ってきました・・・。
太平寺の境内には昔ばなしのお話と同じように蛇姫様のお墓がありました。
(地元の人がお墓を大切に守っているようですよ)
それと・・・蛇に関係しているので蛇に関する品々が飾られているお堂がありました。
(蛇に似た流木や蛇姫様の像とか・・・。)
でも・・・蛇姫様を守って切り殺された女の人のお墓はどこにもありませんでした・・・。

太平寺の近くには龍門の滝という滝があるんですよ!!
滝すぐ近くの「龍門ふるさと民芸館」の中には、滝を見下ろす展望台・パワースポットして人気の龍門洞・この地の民話や伝説などを紹介するコーナーもあります。 無料

ここは結構お勧めします!!
民芸館の中には竜神様がいて民芸館を訪れた人々を歓迎してくれています!!
(昔は活発的に活動していらっしゃったのですが・・・現在は休憩されています)
ユーチューブに動画あったと思いますので見たかったらそちらに・・・。

烏山の民話や伝説などを紹介するコーナーでは声優の緒方賢一さんによる昔話の朗読の
ビデオを見ることが出来ます・・・。

烏山ならではの民芸品や野菜なども販売していますよ!!

beniko  投稿日時 2011/11/19 18:36 | 最終変更
好きな話で気になったのでwikipediaで見てきました。蛇姫様、というタイトル(川口 松太郎、1946年)なんですね。映画も同じタイトルで蛇姫様(1959年2月25日(水)公開/1時間36分大映京都/カラーシネマスコープ)とのこと。
http://www.raizofan.net/link4/movie3/hebi.htm
マルコビッチ  投稿日時 2011/11/19 14:13
このお話を題材にして小説家の川口松太郎さんという方が小説を書いて・・・
のちに映画化もされたみたいですよ・・・。

川口 松太郎(かわぐち まつたろう、1899年(明治32年)10月1日 - 1985年(昭和60年)6月9日)は日本の小説家、劇作家、日本芸術院会員、戦後の大映映画の専務。松田昌一の名で映画脚本も手がける。



マルコビッチ  投稿日時 2011/9/13 18:40
昔ばなしでの蛇は白蛇なんですが・・・栃木の民話で語られている「蛇姫様」の話では黒蛇なのですよね・・・。
beniko  投稿日時 2011/8/4 5:03
書き込みをヒントに、検索してみました。
多分、太平寺かなあと思って、マッピングしました。もし違ったらご指摘下さい。
教えていただきありがとうございました。
マルコビッチ  投稿日時 2011/8/3 20:05
烏山の蛇姫様だ!!
烏山の龍門の滝の近くにある大きな門のあるお寺にお墓があるぞ!!
投稿ツリー
6件表示 (全16件)
現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

41 人のユーザが現在オンラインです。 (25 人のユーザが お話データベース を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)