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No.1387
はたらくあかおに
はたらく赤鬼

放送回:0881-A  放送日:1993年03月13日(平成05年03月13日)
演出:こはなわためお  文芸:沖島勲  美術:門屋達郎  作画:こはなわためお
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あらすじ

みちのくのある村に、与作と言う野菜売りが暮らしていた。

ある日、街まで野菜を売りに出かけた帰り、村に続く道の傍らに異様な風体の大男が座っているのを見た。与作が近寄って見るとその男は赤鬼で、「はたらく鬼売り申す」と書かれた看板を手にしている。

値段を聞けば「16文」。人は喰わぬかと聞けば「喰わないから是非にも雇ってくれ」との答え。
与作はこの赤鬼を引き取って家に連れ帰る事にした。引き取って見ればこの鬼は本当に良く働く鬼で、畑仕事は愚か水汲み、薪割り、炊事に掃除と、与作が何もしなくても良い位くるくると良く働いてくれた。

ある日、街まで用事を済ませに出かけた与作は、鬼に仕事を言いつけるのを忘れた事に気がついたが「毎日働いてくれるのだ、たまには骨休めさせてやろう」と、 敢えてそのまま街まで出かけた。そして用事を終わらせて戻って来てみると、残された鬼は元気が有り余って休む事が出来ず、あろう事か与作の小さな家をぶち 壊して、木材を薪に、屋根の茅を焚きつけに作っていたのであった。

これでは一緒に暮らす事は出来ぬ、と思った与作は、次の日鬼を連れて街 へ行き「この鬼ただで譲り申す」とふれ歩いた。それをお殿様が聞き咎め、与作と鬼は城まで召される事になった。与作から事情を聞いたお殿様は大いに笑い、 「城には言いつける仕事が山ほどある。その鬼、わしに譲れ」と言って鬼を引き取り、与作には「これで家を建てるが良いぞ」と、小判を3枚下された。

以来、鬼は城で働く事になり、お殿様にも可愛がられて幸せに暮らした。一方の与作は貰った小判で家を建て直し、もう働く鬼など当てにはせず、また一生懸命働いたそうな。

(投稿者: 熊猫堂  投稿日時 2012-11-28 9:49)


ナレーション常田富士男
出典岩手県
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※掲載情報は 2012/11/28 11:44 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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華煌  投稿日時 2020/2/12 11:52
適材適所、それぞれ分相応に生きることが大切ということでしょうか。
与作さんも鬼のお陰で、精一杯働いて生きることに、
生き甲斐を見出せてよかったです。
かわいく明るいおはなしに和みました。(*^-^*)
ゲスト  投稿日時 2015/8/21 18:13
鬼さんかわゆい。ハッピーエンドで良かった
熊猫堂  投稿日時 2012/11/28 9:49 | 最終変更
このお話を目にした時の感想は「まさに【仕事の鬼】って奴だなぁ」と言う感じでした。東北地方には仕事に魂を入れ込むあまり、鬼や山男になってしまった人の話が幾つもありますが、あるいはこの赤鬼もそうした人々の一人だったのかも知れませんね。
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