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キーワード: 小林治 (21 ~ 40 件目を表示)
お話データベース
なばの泣きぜき
昔、子供たちが山で木に生えているキノコを採っていた。この地方ではキノコのことを、なばと言っていた。子供たちは、キノコが高い所にあって取れないので苦戦していた。するとそこに一人の大きな子供があらわれた。 子供たちが「お前あの木に生えている、なばさ採ってくれれば半分やるぞ」と言うと、その大きな子供はすぐさま木に登り、なばを取ろうとしたが途中で落ちてしまった。大きな子供は泣き叫び暴れ始め、周りには竜巻が巻いていた。 そしてその子供は、木を根元から引き抜いて村に持って行った。子供たちは怖くなり走って村へ...
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しっぺいたろう
昔、ある村にお民という女の子が住んでいた。お民は両親と早くに死に別れたが、猟犬のしっぺい太郎という頼もしい連れがいた。 しっぺい太郎の牙は鋭く、熊をも一撃で仕留め、またその足は素晴らしく、空中に飛び上がったかと思えば、もう空を飛ぶ小鳥を口にくわえていた。 ところが、この話を聞いた欲深い長者は、どうしてもしっぺい太郎が欲しくなった。長者は、お民の両親が自分に借金を残して死んだことを口実に、3日間だけしっぺい太郎を貸してくれと言う。長者にこう言われては断る訳にもいかず、お民は泣く泣くしっぺい太郎を屋...
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年の晩と貧乏神
むかしあるところに、若い夫婦が住んでおって、この家には貧乏神が住み着いておったそうな。そうして、ここの女房は不精者の上に、食べ物をねだりに来る貧乏神を「やかましい!この居候!」と怒鳴り、座板を素手で剥がして火にくべるという、そりゃあ、ものすごい女房じゃった。 ある年の晩、夫婦はなんとか大火を焚いて年を越そうとしておった。すると、貧乏神が婿さんに擦り寄り「あの女房と一緒にいたらいつまでも貧乏から抜け出せんぞ。女房を里に返すんじゃ。そうすりゃ、大金を得られる方法を教えてやる。」とそそのかし始めた。 ...
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嫁入り竜女の忘れもの
藤四郎という百姓の家のお婆さんが山の池の近くを通った時、池で美しい娘が髪を洗っていた。 お婆さんが木の陰に隠れて様子を見ていると、娘がそれに気付いた。するとその瞬間、黒雲が湧き起り、池が渦巻きはじめ、その渦の中に女が入って行った。お婆さんが池の方を見ると、かんざしが一つ落ちていたので持って帰った。 家に帰ると藤四郎がそのかんざしを奪って「もう、貧乏暮らしとはおさらばじゃい」と言って家を飛び出した。藤四郎が家を出てかんざしを売りに行こうとすると、道すがら娘とすれ違った。娘を見ていると自分の家に入っ...
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魂を取る亡者
昔、ある所に仲の良い夫婦が住んでいた。 ある日のこと、夫は用事で隣村に行くことになった。この夫、いつも機織りをしている女房に、昔からの言い伝えを聞かせていた。それは「夜、機を織ると、あの世の亡者に魂を取られることがある。どうしても夜中に機を織る時は、口に小刀をくわえて織れ。」ということだった。今日も夫は女房にこの事を話して家を出た。 さて、隣村で用事を済ませた夫だったが、家に帰るころには夜も更けて、おまけに外は大粒の雨が降っていた。夫は久葉笠(くばがさ)をかぶり、家路を急いだ。ところが、森の中の...
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山の鯨・海のいのしし
昔々、大昔のことです。クジラは山に住んでおりました。 大きな大きなクジラはすぐにお腹を減らしてしまい、餌をとるにも大騒動。山は崩れ、川はせき止められ、しまいには山の神様が住む大山に激突する始末でした。 山の神様はほとほと困ってしまって、海の神様に相談しました。クジラを海でもらってくれないか?と言った山の神様に、海の神様は、では泳ぎが下手でいつも餌をとれないでいるイノシシが可哀想だから、イノシシを山にあげようと言いました。 こうして住む場所を変えたクジラとイノシシでしたが、イノシシは不満でした。...
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笛吹沼と蛇喰見
昔、出羽の国の庄内へ一人の若侍が大事な手紙を持って清水城へ届けに行く途中のことです。山を超え最上川を見下ろしながら下っていると美しい沼が見えてきました。若侍は、休憩がてらに一曲吹くことにしました。 一曲吹き終わる頃、若侍の目の前に美しい娘がいました。娘は足首だけをつけた状態で水の上に立っているのです。娘は「もうしばし笛を吹いて欲しい」と懇願しましたが、ぞっとした若侍は「帰りにもう一度沼に寄って笛を吹くから」と、慌てて出発しました。 若侍はその日のうちに用を済ませ、清水城下で一泊したあと乗合船で帰...
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加茂湖の主
昔、佐渡の加茂村に武右衛門(ぶえもん)という長者が住んでおりました。この武右衛門は大変強欲で情け容赦のない冷たい男でした。武右衛門は、一刻も早く加茂湖を埋め立てて土地を増やし、佐渡一番の長者になりたいと野心を抱いておりました。 しばらくして始まった加茂湖の埋め立て工事に、漁師達は止めてくれるよう必死に懇願しました。ついに堪忍袋の緒がきれた漁師の茂平は、武右衛門を奉行所に訴えでましたが、お奉行に根回ししていた武右衛門の手によって、逆に土地を永久に追い出されてしまいました。 そのお裁きのあっ...
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東光寺のケヤキ
昔、越後の国、南鐙坂(みなみあぶさか)の村外れに、百姓のおっとうとミヨと言う名の一人娘が住んでいた。 昔この場所には東光寺という寺が建っていたそうだが、今では廃れてしまい、ご神木の大きなケヤキの木だけを残すのみだった。そして信心深いミヨは、毎朝この家の前にある大ケヤキにお祈りしていた。 そんなある日、おっとうは、明日近くの十日町へミヨを連れて行くと言う。それは十日町の来迎寺に、遊行上人(ゆぎょうしょうにん)という偉いお坊さんが訪れるので、二人で上人の書いたお札をもらいに行くためだった。 十日町...
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山の神と海の神
三重の尾鷲(おわせ)には国市(くにいち)の浜という浜辺があり、ここは青い松並木に白い砂浜が広がる風光明媚な場所だった。そのため、この浜には海の神様や山の神様が時々散歩に訪れていた。 そんなある日、山の神様が浜を散歩していると、これまた浜を散歩していた海の神様とばったり鉢合わせになった。二人の神様は挨拶を交わし、お互いの家来を紹介し合う。海の神様は鯛とヒラメをお供に連れており、2匹とも鱗がキラキラ光り立派に見えた。山の神様は、自分の姿がこれ以上なく不細工だと思っていたので、これを見てがっくり肩を落と...
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野々海の物語
昔、越後と信濃の国境に、野々海(ののみ)と呼ばれる池があった。ここには龍神とも白蛇とも言われる主が住んでおり、時々人間の美しい娘の姿を借りては池の上に現れた。 そんなある時、越後の国にある加茂が池の主が、この美しい娘を自分の嫁にしたいと言いだした。加茂が池の主はどろどろした池の底から毎日のように、「野々海の主よ、わしのところに嫁に来い」と叫び続けていた。野々海の主はその声を聴くと、身の毛もよだつような思いになるのであった。 ある日、野々海の池に加茂が池の主が人間に姿を変えてやってきた。「何故わし...
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鬼怒沼の機織姫
弥十(やじゅう)という若者が姉の家に届け物をした帰り、道に迷って鬼怒沼にたどり着いてしまう。鬼怒沼の素晴らしい景色に見とれているうちに弥十は疲れて眠ってしまった。 しばらくして弥十が目を覚ますと、近くで美しい娘が機を織っているのに気づいた。「鬼怒沼には機織姫がいて、機を織るのを邪魔すると恐ろしい祟(たたり)がある」という言い伝えを思い出した弥十は、一度は隠れるものの機織姫の美しさに見惚れて近づいて彼女に触れ、機織姫が機を織るのを邪魔してしまう。 機織姫は弥十を突き飛ばし怪我をさせる。怒り心頭の機...
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不思議なコマ犬
金沢の町はずれ、小坂の伝燈寺(でんとうじ)という寺に、活道和尚(かつどうおしょう)という坊さまがいました。 ある吹雪の夜、じいさまが小さな孫を連れて逃げ込んできました。孫がオオカミに襲われて怪我をした、このままではオオカミに血の匂いをかぎつけられて狙われてしまう、と言う。じいさまと孫は、寺のコマ犬様が守ってくれるという言い伝えを信じ、ここへ逃げ込んだという。 和尚様は言い伝えにしかすぎないと思っていたが、ひとまず孫を預かってじいさまを家に帰した。その夜、血の匂いを嗅ぎ付けたオオカミの群れが神社を...
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雁と亀
ある池に、一匹の亀が住んでいた。亀は、池の上空を飛んでいく鳥たちをいつもうらやましそうに眺めていた。 ある時、一羽の雁が池に羽休めのために降りてくる。それを見た亀は、雁に自分も空を飛びたいと頼み込み、その背中に乗って念願の大空へと飛び立つ。しかし、しばらくすると銃声が聞こえ、弾丸が飛んできた。そして亀は雁の背中から振り落とされてしまう。 狙われた雁は何とか狩人から逃げおおせ、振り落とされた亀は甲羅にひびが入ってしまったものの無事であった。それから亀は空を飛べるようになりたいとは思わなくなったが、...
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蟹の湯治
昔、加賀の国の鍋谷川(なべたにがわ)下流に鍋谷七ヶ村(なべたにななかそん)という村と、和気山ヶ村(わけさんかそん)という村があった。この鍋谷川の大きな淵は、ヌシが住んでおるという噂だった。 ある年の夏。ひどい日照りで、和気山ヶ村の田畑はカラカラにひび割れてしまう。そこで、村の若者とじいさまが鍋谷川のヌシにお願いにいくことになった。やっと淵にたどりつき、若者がクワで水口を開こうとしたとき、誤ってヌシである大カニの足を打ってしまう。逃げだしたふたりにカニのヌシの恐ろしい声が聞こえてきた。「おのれ、和気...
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吹雪かれ和尚
北国のある寺に和尚さんが一人住んでいた。 この年は例年以上に吹雪がひどくなかなか下の村にも行かれなかった。和尚さんはきにもとめてなかったが、吹雪はやむ気配もない。食糧もそこつきそうになる前に本堂の前に鹿の肉がおいてあった。立場上肉は食えないが、これは仏様のおくりものだ、と感謝して、肉を食べた。 吹雪はやみ、心配した村人が和尚のもとを訪ねる。和尚は鹿の肉がおいてあったことを話し、いま煮て食べてると村人がみたら、爆笑した。そう中身は木のくずだった。 和尚は信じられず観音様を見たら観音様の足がなくな...
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きつねのこぶとり
むかしあるところに頬にこぶのある徳兵衛じいさまがいた。 じいさまはこぶを大切にし、ぴかぴかに磨いていた。 ある時お城から使者たちがあらわれて「お殿様が徳兵衛じいのこぶを欲しいと言っておられる。早速切り取って城にもっていかねばならぬ」とこぶを切ろうとする。 家人は驚いて、使者たちに酒をふるまいその場をおさめ、帰ってもらう。 その夜、子供が原っぱで、酔っ払って踊る狐達を目撃する。 ♪徳兵衛じいさんの大こぶで、今日は酒飲んだし、明日は餅じゃ♪ 家人は騙されていたことに気付き、翌日、使者に化けた...
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猿の恩返し
昔、九州のお大名の家来で、勘助という飛脚がいました。ある時、大名から頼まれた珍しい刀を江戸の将軍様のところへ運ぶため、勘助は東海道を走っていました。 興津の宿を出て薩堆峠(サッタ峠)へ向かう途中、一匹の猿が化け物のような大ダコにさらわれようとしていました。勘助は脇差(小刀)を取り出して、波打ち際にいる大ダコめがけて切りつけましたが、全く刃が立ちません。そこで大名から預かった刀を取り出し、すでに海の中へ潜っていた大ダコめがけて飛びかかりました。 海の中に入った勘助はタコの足に噛みつき猿を救出し、持...
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鴻の卵
ある夏の日差しがジリジリと照りつける日、善良な男が旅をしていました。村はずれの広い野原で、カエルを狙っている蛇に気が付きました。憑りつかれたように凝視する男の目の前で、蛇はカエルに食らいつき頭から飲みはじめました。 男は思わず、竹棒でやたらめったら蛇を打ち据えました。打たれた蛇はぐったりしてカエルを吐き出しましたが、それでも男は竹棒で繰り返し打ち続けました。その夜、旅から帰った男はひどい寒気に襲われ寝込んでしまい、ガタガタと何かに怯える日々を過ごしました。 そんなある日の事、男の家に目の不自由な...
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またたび
雪がしんしんと降り続いているある夜の事、一人の男が女房に向かって話しはじめました。 昔、長野の塩尻に、病気の母親と暮らす一人の博打好きな若者がいました。若者は毎日博打に明け暮れ、その日もスッカラカンになって明け方頃に帰ってきました。すると母親はもう虫の息で、さすがの男もその時ばかりは心配しました。 その辺りには医者もいないし、薬を買うお金もない。若者は隣のじい様から聞いた「またたびの水を飲ませれば病気が治るかもしれない」という言葉に、急いで山へ向かいました。しかし、その日に限ってなかなかまたたび...
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