知名度の低い昔話ですが、不屈の傑作だと思います。必至の思いで手に入れた甦りの水が、結局は間に合わず、死別を避ける事ができないという筋に加えて、死者の前で湧出する描写が冴えていて、さらに追い打ちをかけるように、それらの失敗が、男を改心させ平凡な一家庭の屋台骨となったということが語られる。宗教美学とさえいえるような、そんな深い味わいがある作品です。
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