里の語りべ聞き書き 第13巻
書籍名里の語りべ聞き書き 第13巻
編著名川内彩友美
出版社有限会社 三丘社
発刊日1993年02月10日
管理番号sato13
※掲載情報は 2015/5/5 1:44 現在のものです。内容が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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収録数26話
収録数26話

目次

かにかに、こそこそ,ぬすっとかか,ご神木に住んでいた蛇,中柏木怪談1大蛇の呪い,中柏木怪談2子ども池の話,中柏木怪談3大きなアヤメ,オコ池と婆萢の話,七人の地蔵さま,ばけもの屋敷,ホラ吹き比べ,親不孝なカエル,負わりょうか,担がれた“おえいさん”,継子と鳥,あなぐちの狸,ごちそう好きのキツネ,カッパに化かされた男の話,心やさしい嫁,氷が淵の大蛇,子なき先生,十二個の卵,伊勢参り,流され岩,又べえ話1馬の尻から小判の巻,又べえ話2与ざの巻,又べえ話3閻魔大王の巻

巻末に掲載されていた「話者名」一覧

笠原政雄(新潟県)、平野やす子(地名なし)、原沢はる(群馬県)、小島嘉市(埼玉県)、石井千城(東京都)、洞口作次郎(福井県)、尾崎ふじ枝(福井県)、井口ニ四雄(兵庫県)、山根トワコ(山口県)、岸田透(愛媛県)、岡村光治(高知県)、吉浦正雄(福岡県)、佐和田カニ(地名なし※沖縄県)、広渡茂男(福岡県)、村山義男(福岡県)、上田年見(福岡県)

里の語りべ聞き書き 第13巻 読んだ感想というかメモ

かにかに、こそこそ
話者:笠原政雄(話者リストより)
川で見つけたカニが可愛らしかったので捕まえて自宅の井戸で飼うことにしたおじいさん。でもおばあさんはカニが食べたくて仕方がなかった。おじいさんがカニを呼ぶセリフ「かにかにこそこそ、じさ来たぞ」を真似て、カニをおびき出して捕まえて茹でて食った。こっぴどく怒られ、申し訳なくなってだんだん体を小さくしているうちに、サワガニになった。このため、沢のカニはいつまでたっても大きくならないそうだ。
ぬすっとかか
話者:笠原政雄(話者リストより)
盗癖のある嫁が、婿に言いつけて何かを盗んで持ってこさせる。泥棒なんか嫌だった婿は、嫁を困らせてやろうと、ネギやら牛やら死んだ子どもを盗んで帰って来た。しかし嫁は喜んで、それぞれの盗品をうまく活用して、一生安楽に暮らせるほどの金を得た。
ご神木に住んでいた蛇
話者:石井千城(話者リストより)
多摩川の近くにある和泉神社の境内にあった樹齢650年の松の大木に、蛇が住んでいた。特に悪さをすることもなく村人たちからも認知されていたが、ある時、蛇の存在を知らない新しい村長さんが来て、蛇の住む大木のウロ穴を埋めるように村人に指示した。村人たちも、まあいいかぁと思い蛇の穴を埋めてしまい、その夜から村長さんは悪夢に悩まされるようになった。よほど蛇も苦しかったのだろう、祠まで建てたが大木のはへし折れ、落葉からは自然発火した。
中柏木怪談1大蛇の呪い
津軽の嘉瀬村に中柏木という村。蛇を呪文で退治した萬吉だったが、蛇に祟られて腕に鱗が3枚はえてきた。萬吉は悶え苦しみながら死んだ。
中柏木怪談2子ども池の話
中柏木から少し離れた所にある「子ども池」では、子供の鳴き声が聞こえてくるという。昔、大飢饉にみまわれ、食うに困ってこの池のほとりに捨てられた子どもの声だという。
中柏木怪談3大きなアヤメ
この池のある野原に、5~6尺もある大きなアヤメを見つけた。珍しいからと手折ったアヤメを持って歩いていると、背の高い坊主とすれ違った。坊主は「お前が取った菖蒲の咲いているところにある金がたくさんある」と言ったが、もうどの辺だったかわからなくなっていた。
オコ池と婆萢の話
嘉瀬村の中野新田という村にあった萢池(やちいけ)の話。この池は、村人たちは婆萢(ばばやち)と呼び、溜池をオコ池といった。オコとは爺のこと。昔、新田開発のため、芦原を開墾していると、夜になると婆が糸車を回している家が現れる。溜池の方にも、わらじを作っている爺の家が現れる。不思議に思って妖怪か狸狐の仕業だろうと、猟師が早速鉄砲を構え、、、あとは、岩井のおかねさん(1443)の流れと似た感じ。
七人の地蔵さま
話者:原沢はる(話者リストより)
笠地蔵(0002)の類話。寒かろうと地蔵様に反物を巻きつけてやったら、その夜に七人の坊さんがやってきた。翌朝、寝ていた坊さんたちは、米やら金やらになっていた。
ばけもの屋敷
話者:原沢はる(話者リストより)
蛸屋加左ヱ門(0765)の類話。
ホラ吹き比べ
ほらこぎとほらふき(1471)のほらこぎの話の類話。肥前の大ボラ吹きと筑前の大ボラ吹きとの対決だったはずだが、子どもの言った大ボラに驚いて逃げ帰った。
親不孝なカエル
ずれっ子の子蛙(0848)の類話。
負わりょうか
話者:岡村光治(話者リストより)
おぶさりてい(0155)っぽい話。高知の上池の大日さまの向こうにあった広い大池にて。この話では、主人公の男は怖がりな性格ではない。おぶさってきた死にかけ(腐りかけ)の爺さんに、お粥を食わせて世話してやったら、翌日、金の壷になっていた。
担がれた“おえいさん”
話者:小島嘉市(話者リストより)
柴山というところに、かど屋という団子屋があった。店主の爺さんはケチだったが、看板娘のおえいさんは大変な美女でした。隣村の荒くれ者の博打打ちの親分に見初められ、嫁担ぎにあってしまった。嫁担ぎは、有無を言わさず女をさらってくるという略奪婚のこと。しかし、隙を見てにげっだしたおえいは、爺の協力をえて、そのまま旅支度をしてよその土地へ逃げ出した。助かったおえいは、その後良い伴侶に恵まれ幸せに暮らした。その墓は、浅草の浅草寺にあるという。
継子と鳥
継母と継子の話。継子を父親のいない間に殺して、竹やぶに埋めた。竹やぶにいた鳥が「父さんに会いたい」と歌ったため、継母に殺されたことを知る。継母は役人に捕らえられた。
あなぐちの狸
和泉村の下伊勢というところに住む鈴木兵左衛門さんとその妻が相次いでなくなり、あとには二人の女の子が残された。やがて、あなぐちという場所の岩山に住む、白い狸が二人の女の子を毎晩脅かしにくるようになった。
ごちそう好きのキツネ
話者:山根トワコ(話者リストより)
美味しいものをまんまと横取りする狐のエピソードが2つ。一つ目は、車夫を騙して田んぼの中に人力車を引き込んで、ふうふうもがいている隙を見て、婚礼のご馳走を取られてしまった話。二つ目は、明治のはじめの頃、士族の娘たちが横山の生糸工場へ出勤していると、狐が出てきて娘たちに砂をかけた。狐のに気を取られている間に、娘たちの弁当が取られていた。
カッパに化かされた男の話
話者:山根トワコ(話者リストより)
心やさしい嫁
氷が淵の大蛇
話者:岸田透(話者リストより)
子なき先生
話者:佐和田カニ(話者リストより)
十二個の卵
ある女が、いつものように歩いていると急にうんこがしたくなり、野原の隅でそっと用を足した。するとウンコではなく卵だった。次の日も同じこの場所にくると同じようにウンコをしたくなり、結局この女は12個の卵を生んだ。この卵から12人の子供が生まれ、これは実は天の神の子で、それぞれの方角を守る神となった。この女は、命の主パルズとして祀られる事になった。
伊勢参り
話者:井口ニ四雄(話者リストより)
結構長いお話で、いわゆる世間知らずの伊勢参り(1373)的な展開。佐治村の一行が伊勢参りに行くのだが、田舎者の世間知らずなので、いろいろやらかす。前半は、絹の褌(0529)の流れ。中盤は、庄屋さんを真似る村人たちの話になり、後半は、土産にとロウソクを買って帰ったら、食べ物と思ってロウソクを食ってしまったという話。
流され岩
福岡市の姪の浜に流れ込む室見川を挟んで、二つの村があった。この村は仲も悪いし、それぞれの村のものが愛し合ってはいけない事になっていた。しかし、若い男女が愛し合ってしまい、結局それがばれて簀巻きにされ観音崎の上から海に放り込まれた。この二人の化身とされる蛇の形をした岩を、波にさらされてできたように見える事から「流され岩」と呼ばれた。
又べえ話1馬の尻から小判の巻
すっかり金がなくなって困っていた又べえは、たまたま氏神様にお参りにきていた欲張りの馬喰「うし太」見かけた。そこで、やせ馬を金の糞をする馬だと騙して、高値で売りつけてやった。銭糞馬の話で、嘘にのる欲(0191)の類話ともいえる。
又べえ話2与ざの巻
ほらこぎとほらふき(1471)のほらこぎの話の類話。もしかしたら、出典元かもしれない。又べえの子供「与ざ」も、なかなかのトンチ者だった、って話。
又べえ話3閻魔大王の巻
ほらこぎとほらふき(1471)のほらふきの話。もしかしたら、出典元かもしれない。又べえが死んで、閻魔大王の前に引き出された時の話。アニメと同じストーリーで、最後は、筑前福間の人はみんな極楽行きとなった。

※この書籍情報は、紅子が国会図書館の蔵書を借りて読んで、お話の内容や情報をメモったものです。話者名は巻末に出身地とともに紹介されていて、お話の採録地と照らし合わせたものです。(2012年8月現在)

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