里の語りべ聞き書き 第12巻
この書籍の中のお話から ドボンガボン(1397)、がアニメ化されました。
書籍名里の語りべ聞き書き 第12巻
編著名川内彩友美
出版社有限会社 三丘社
発刊日1992年09月10日
管理番号sato12
※掲載情報は 2015/5/5 1:43 現在のものです。内容が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このページを印刷
収録数28話
収録数28話

目次

風で飛んだお婆さん,ドボンガボン(原題「座頭とぼた餅」),河童淵,狸和尚,歌うたけのこ,鶴女房,田んぼが火事だ,岩殿山の大蛇退治,人捨穴,白い花の咲くきゅうり,おしゃもじ様,有鹿洞の龍,照手姫の伝説,なまけものの青がり豆売り,いぼ地蔵,咳の地蔵,もんや稲荷,生けどられた雷さま,井戸に落ちた雷,おさんギツネ,衛門三郎,犬の墓(犬塚),子を抱かしょ,姫島のいわれ,サルの生き肝,普天間権現,筑前・福間の又べえ話、お三嬢狐の巻 その1,筑前・福間の又べえ話、お三嬢狐の巻 その2

巻末に掲載されていた「話者名」一覧

江原重吉(京都府)、曽我部祖学(愛媛県)、村山義男(福岡県)、上田年見(福岡県)、中山綾子(静岡県)、峯元勝太(東京都)、山根トワコ(山口県)、東敏治(大分県)、小林チヨ(東京都)、宮村道男(三重県)、中堀仲蔵(大分県)、広渡茂男(福岡県)、山本川恒(沖縄県)、座間惣吉(神奈川県)、廣澤嘉治(徳島県)、比嘉信吉(沖縄県)、小幡健次郎(福岡県)、山本ハツ(新潟県)、関つる(群馬県)

里の語りべ聞き書き 第12巻 読んだ感想というかメモ

風で飛んだお婆さん
筑前の栗田にある傘屋の婆さんが、傘と一緒に飛ばされた。大きな川を超えて、岩山峠まで飛ばされ、帰るに帰れず、その村の人たちに、傘の作り方を教えながら、家に帰れる日を待った。ようやく強い南風が吹き始め、おばあさんはその風に乗ってもとの家のある村に帰って行った。
ドボンガボン(原題「座頭とぼた餅」)
話者:山本ハツ(話者リストより)
アニメの出典元ではあるが、アニメといろいろと異なる。比較的アホな老夫婦のお話って感じで、夢オチではない。トンチのきく行動的な坊さんが、アホな老夫婦相手に立ち回るって感じ。ラストは、白い卒塔婆を坊さんの白い衣と間違えて捕まえた爺さんが「井戸にドボンがいいか、ぼた餅がいいか」と言いながら、朝まで大汗かいていた。
河童淵
土淵の新屋の家のそばにあったカッパの住む淵の話。ある夏の日、馬を川に連れて行って水浴びをさせていると、カッパが馬を引きずり込もうとした。馬は走って家に逃げ帰ったが、カッパも引っ張ってきていた。7つか8つくらいの子カッパだったし二度と悪いことはしないと言うので、殺さず川に帰してあげた。それからカッパの姿を見ることもなくなり、ちょっと村の人たちも寂しがって、近くに小さな祠を立てたった。
狸和尚
話者:中山綾子(話者リストより)
狸和尚(0490)の類話。伊豆の宇久須の明泉寺にやってきた、鎌倉の建長寺の貫主さま。一晩泊めてと言うが、怪しんだ明泉寺の和尚は断った。やむなく庄屋の家を訪れ、一晩の宿とご馳走をもらった。お礼に鹿の絵を書き残し、出発した貫主さまは、船原峠をこえ狩野川べりにさしかかったときに、一匹の白い犬に食い裂かれて死んだ。
歌うたけのこ
話者:山本ハツ(話者リストより)
継子いじめの話。継母が、継子に穴の空いた袋を持たせて栗拾いに行かせたり、無理難題をいいつけたりした。最期は煮えたぎる大釜のなかに突き落とし殺して、竹やぶに埋めた。それを知らない父親が、季節でもない筍が生えているのを見て掘ってみると、筍が泣き始めた。これで察した父親が継母を問い詰め、すべてがわかった父親は継母を追い出した。
鶴女房
話者:山本ハツ(話者リストより)
鶴の恩返し(0017)の類話。矢が刺さってけがをしていたツルを助けた、働き者の若者の所へ若い娘がやってきた。キレイな布は近くの石毛将監というお殿様が、高く買ってくれた。
田んぼが火事だ
話者:該当者なし
酒によった松やんが、夜道で狐に騙された話。里の語りべ聞き書き 第02巻「風呂をふれて歩く狐」の余談と同じ話。※ただし出典地域が異なるけど。
岩殿山の大蛇退治
話者:該当者なし
岩殿山に住んでいる恐ろしい大蛇を退治した、俵藤太秀郷の話。俵藤太秀郷は、何かのパワーで初夏に雪を降らせ、蛇の通ったあとをつけ、蛇の巣穴を見つけて強弓で射抜いた。この男は大ムカデを退治したことでも有名なんだってさ。
人捨穴
八丈島の大賀郷と樫立の境にある伊郷名と言う所の近くに洞穴がある。この洞穴は人捨穴といわれ、昔は飢饉の時などの食糧難の時に、口減らしのために老人がこの穴に置き去りにされた。むろん、この話は事実かどうかわからない。この洞穴はは、風葬か共同墓地だったかもしれない。
白い花の咲くきゅうり
おしゃもじ様
話者:座間惣吉(話者リストより)
有鹿洞の龍
話者:座間惣吉(話者リストより)
照手姫の伝説
話者:座間惣吉(話者リストより)
敵方の武将と恋に落ちた照手姫。姫の父親は、鬼鹿毛という荒馬を乗りこなしたら姫を嫁にやると約束した。若者の武将は見事に乗りこなし姫を嫁にしたが、父親のもった毒により失明してしまった。それを知った姫は、盲目の夫と共に熊野詣でに出かけ一心に祈願すると、再び夫の目は見えるようになった。
なまけものの青がり豆売り
話者:関つる(話者リストより)
この話は枝豆の始まりです。収穫した豆を「大豆」にするのが面倒だったので、青い豆のままで売ったら、意外と好評で商売も繁盛した。
いぼ地蔵
話者:江原重吉(話者リストより)
河内の長者さんのところの美しかった娘に沢山の見にくいイボができた。悲観した娘は池に身を投げて死んだ。その後、両親はお地蔵様を建て、イボを直したい人たちがたくさんお参りに来るようになった。お地蔵さんにワラを巻きつけて祈る、そして念願が叶ってイボが治った時はワラを取り去る。今でもこのお地蔵様は、広田さん所有の畑のそばに現存し、2~3本の新しいワラが今でも巻かれている。
咳の地蔵
話者:該当者なし
もんや稲荷
話者:座間惣吉(話者リストより)
生けどられた雷さま
話者:宮村道男(話者リストより)
井戸に落ちた雷
うるさい雷の子供が井戸のなかに落ちてきた。井戸の神様もうるさくてかなわいので、家の人に出してやるよう頼んだが、家の人も雷にはいつも迷惑していたので救出を嫌がった。やむなく井戸の神は「雷の子を出してくれたら、人間の病気を一つだけ直してやる」と約束した。この事があってから、目にものもらいが出来た時は味噌漉しを半分だけ井戸のふちから出して見せるとすぐに治るようになった。でも最後にお礼をいわないと次からは治してくれなくなる。
おさんギツネ
話者:山根トワコ(話者リストより)
岩国のおさん狐のいたずらエピソード。夜道、美しい娘の手を引いて歩いていたつもりが、大きな大根だったりした。いつも招魂場(西岩国と今津の間の小高い山)に出ていたおさんギツネだったが、いよいよ村の豪傑に斬り殺された。女中に化けていたところで殺されたおさんだったが、年功を積んだキツネだったから、元の姿をになるまでに昼までかかった。
衛門三郎
話者:曽我部祖学(話者リストより)
豪傑の衛門三郎の家に、托鉢のお坊さん(弘法大使)が現れたが、慈悲もなく鍬でうちつけた。すると衛門三郎の子供8人が全部死んでしまい、悔い改めた衛門三郎は、四国の霊場を巡り歩き、精魂尽きて倒れてしまった。そこへ弘法大使が現れて、衛門三郎と書かれた小石を握らせた。それから一年程して、伊与の領主、河野家に赤ん坊が生まれたが、手にはその小石が握られていた。手は硬く握ったまま開かなかったので、近くの安養寺にお参りし、近くの川で手を洗ったら手を開いた。安養寺は石手寺と呼ばれるようになり、川は石手川と言うようになった。
犬の墓(犬塚)
話者:廣澤嘉治(話者リストより)
前半は松尾のせどさく(0697)に似た感じの猟師の話。後半はまた別の展開になる。
子を抱かしょ
話者:中堀仲蔵(話者リストより)
姫島の話。赤子を抱いた幽霊の話。子供を抱いて下さい、と言われて子供を抱く際に、赤ん坊を後ろ向きにしないと殺されちゃう。
姫島のいわれ
話者:中堀仲蔵(話者リストより)
昔、姫島はふわふわとクラゲのように漂う島だったが、姫神が千本の矛を打ち込み、今の場所で固定した。しかし一般的には、比売語曽神社(ひめこそじんじゃ)に祀られている白石の乙女が、一般的な由来と言われている
サルの生き肝
サルの生き肝(1259)の類話。竜宮の神が病気になって、治すために猿の生肝が必要だったため、亀と海蛇が猿の捕獲に向かった。うっかり口を滑らしたのは、アバサー(針千本)とタコで、罰として五寸釘を打ち込まれ、タコは骨を抜かれた。
普天間権現
首里のある家にそれはそれは美しい姉妹がいた。妹は結婚して所帯を持ったが姉は家からも出ず誰にも合わず機を織って暮らしていた。ある時、妹の夫に自分の姿を見られた姉は、そのまま洞穴にこもってしまった。姉が言うには「私は人ではなく、普天間権現の神として生まれたので、これからは神として生きます」と言い残し、本当に神となった。非常に信頼できる神様だそうだ。
筑前・福間の又べえ話、お三嬢狐の巻 その1
お三ギツネと甚べえ(1421)と同じストーリー。お詫びとして見舞いの饅頭を持ってきた又べえだったが、お三嬢狐は「又べえが持ってきた物は馬のフンか何かに違いないのだから、騙されないようにしないとね」と言って、子狐たちが饅頭を食べようとしている所を慌てて制止した。狐が人間に騙されないように気をつけたのは、後にも先にも又兵衛だけだろう。
筑前・福間の又べえ話、お三嬢狐の巻 その2
馬のシリをのぞいた男(0504)の類話。トンチ者の又べえが、おさんじょ狐に騙されるエピソード。

※この書籍情報は、紅子が国会図書館の蔵書を借りて読んで、お話の内容や情報をメモったものです。話者名は巻末に出身地とともに紹介されていて、お話の採録地と照らし合わせたものです。(2012年8月現在)

カテゴリ内ページ移動 ( 16  件):     1 ..  9  10  11  12  13  14  15  16    
現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

38 人のユーザが現在オンラインです。 (1 人のユーザが 原作調査(出典本を調べる) を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)